昨今、「ドローンビジネス」が注目を集めています。しかし成功のためには自社の技術力や作業品質の向上だけでなく、顧客からの信頼を得る必要があります。それには、ドローンに関する資格取得が重要です。そこで本記事では、「ドローン検定」による資格の取得方法と、取得に関するメリットについて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
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目次
ドローン検定(無線航空従事者試験)とは
「ドローン検定」(正式名称:無人航空従事者試験)はドローン検定協会が主催している、国内唯一のドローン系資格試験です。ドローンに関する知識と技術を客観的に証明できる認定試験であるため、ドローン技能についての評価指標としては大変有用なものとなります。試験合格者にはカード型の合格証が送られるので、証明書としても利用可能です。
検定実施の背景
レジャーやビジネスなど、ドローンは幅広い用途で利用されており、年齢を問わず手軽に操作でき、かつ手ごろな価格で入手できるのも魅力的です。しかし、気軽に手にできるようになった反面、ドローンに関する事故や事件は年々増加しています。
適切な知識と技量を持つことは、ドローンを活用する上で欠かせません。ドローン検定はドローンを扱う人の知識量を客観的に評価し、周囲への理解を広めることを目的として実施されるようになりました。
試験概要
ドローン検定は4~1級の階級に分かれています。4級から1級へ近づくにつれ、段階的に難しくなっていきます。出題内容も階級によって異なるので注意が必要です。
また、問題の内容は幅広く(詳細は後述)、正解率が8割以上で合格となります。これだけ聞くと難しいもののように感じますが、専門のテキストに沿って出題されるので、対策をきちんと行えば合格できる試験ですのでご安心ください。
技能はドローン操縦士養成講習(基礎技能講習)で学習可能
ドローン検定では技能試験の実施はありません。そこで、ドローンの実機を扱う機会として「ドローン検定協会」が全国で開催している「ドローン操縦士養成講習(基礎技能講習)」の受講をおすすめします。
講習はいくつかのコースに分かれており、実技講習もその中に含まれます。また、各コースの修了者はコース内容に応じた資格(証明書)を取得可能です。講習では座学とドローン実機を用いた実技を受講可能で、ドローン検定を取得していると座学が免除される仕組みとなっています。
ドローン検定を受けるメリット
ドローンを操縦するにあたって、民間資格である「ドローン検定」の取得は必須ではありません。しかし、ドローン検定を受けるメリットは多数あります。代表的な例を挙げると、
「許可承認取得が円滑になる」
「ドローン操縦士養成講習を受講できる」
「提携団体による優遇がある」
などがあります。このような「ドローン検定」取得によるメリットを、今回は8つほど紹介します。
許可承認申請の円滑化
「ドローン検定」を取得する大きなメリットが「許可承認申請の円滑化」です。
ドローンを飛行させる場合、「200kg以上のドローン」や、「飛行禁止区域での使用」といった条件によって、国土交通省への申請が必要となります。この際、資格取得証明書を提示すると、ドローンに関する知識・技術・経験が備わっていることを客観的に証明できるため、円滑に処理が行われるようになります。
ただし、許可申請における審査自体が免除となるわけではありませんので、正式な書類を別に用意することを忘れないでください。
基礎技能講習を受けられる
2つ目のメリットは、前述のドローン操縦士養成講習(基礎技能講習)で座学を免除されるという点です。基礎技能講習では「ドローン検定4級以上の資格」を保有している人を対象として、ドローン操縦の基本的なルールや技術、安全な操縦のための技能などを身につけられます。
受講料は6万9800円で、2日間の講習を受けると10時間の飛行記録を取得できます。さらに講習を受講すると、国土交通省への飛行許可申請ができるようになります。
より幅広いドローンの知識が身に付く
「ドローン検定」は6つの項目に分かれており、それぞれに小項目が設けられています。試験範囲は階級によって違い、1級では6つの項目すべてが範囲に含まれているので、それだけ多くの知識量を必要とされます。しかし試験対策を経ることで自分の知識が広がるという点は、メリットと言えるでしょう。
また、4~1級と階級が上がるごとに、より専門性の高い知識が必要となります。そのため、基礎から応用まで幅広い知識をまとめて学習できます。
自社や自己のスキルアピールができる
「ドローン検定」の合格者には、合格した証として「ドローン検定」のロゴを名刺やサイトなどで記載ができます。さらに、1級合格者は「ドローン検定」サイトに名前と所属団体、コメントの記載がされるので、自己のスキルや、自社のアピールをするには十分な材料となります。
「ドローン検定」はドローンに関する唯一の資格なので、認知度は大変高いです。また、「ドローン検定」というわかりやすい名称なため、ドローンの知識が備わっていると示すことができます。
情報収集のためのコミュニティサイトが使える
「ドローン検定」合格者はメンバーサイトである「ドローン知恵袋(Q&Aコミュニティ)」へ参加できます。このコミュニティは「ドローン検定」のサイトに公開されており、ドローンの最新情報が多く記載されています。
ドローンに関係する規則は日々変化していますので、資格取得後も最新情報を学んでいく必要があります。ドローンの情報はネットなどで簡単に得られず、最新情報ともなると入手難易度はさらに高くなります。そのため、ドローンの知識が豊富な人へ質問ができるコミュニティサイトを利用することはとても有用です。
飛行ログサービスが利用できる
ドローンでの飛行を実際にしたいとき、国土交通省への許可申請には10時間以上の飛行ログが必要となります。「ドローン検定」のメンバーサイトにはログを記録できる機能があるので、前持って記録しておくことですぐにPDFとして出力が可能となります。
提携団体における優遇
ドローン検定協会が提携する団体には
・JDA(日本ドローン協会)
・DPA(ドローンパイロットアカデミー)
・JAREX(ドローンフライトクラブ)
があり、「ドローン検定」に合格するとそれぞれの団体が主催している講習への参加が無料になります。講習の内容として、JDAでは前述の基礎技能講習、DPAでは技能検定試験に向けた講習会、JAREXではドローン測量などの入門講習会があります。
ジャケットなどのオリジナルグッズを購入できる
最後のメリットは、オリジナルグッズの購入ができることです。4級以上のドローン検定合格者には「LID」と呼ばれるIDが配布されます。これを利用することでポロシャツやワークブルゾンといった衣類や、ドローンの飛行記録に特化したログブックなどのオリジナルグッズを購入可能となります。
もちろん合格の記念としてだけでなく、実用性のあるアイテムばかりなので、ぜひご検討ください。
ドローン検定の具体的な試験内容について
「ドローン検定」を受験するメリットをご理解いただいたところで、ここからは具体的な試験内容について紹介します。申し込み方法や、合否の判定方法を知りたい方は、ぜひご一読ください。
開催会場と開催頻度
「ドローン検定」は、日本全国42都道府県で試験が開催されている、非常に認知度の高い試験です。東京のように「多くの人が受験する」と予想されるエリアでは、複数の試験会場が設けられているため、非常に受験しやすくなっています。ただし、受験会場によっては異なる階級の試験が同室で行われることもあるようなので、会場の詳細な場所はよく確認するようにしてください。
また、ドローン検定の開催回数は階級によって違いがあるものの、最大で年間6回も行われており、自分が受験したいタイミング・受験したい場所で試験を受けることが可能です。
申し込み
「ドローン検定」の申し込みは下記専用サイトから行います。この際、各会場と各階級によって申し込み用のボタンが異なるので注意が必要です。会場を選択後、受験料を入金すると、1週間ほどで受験票が郵送されます。受験票には当日の会場も記載されているので、忘れずに確認をしてください。
https://drone-kentei.com/place.html
申し込みの締め切りは開催の前月末までです(月末が休日の場合は末前の平日が最終日となります)。日程を確認して早めに申し込んでおくことをおすすめします。
合否発表
「ドローン検定」の合否は試験日から10日ほどで結果が郵送されます。また、合格通知の情報を基にしてサイトより合否の確認も可能です。費用が1,500円必要となりますが、採点結果も照会できます。
合格証発行
試験日より1ヶ月ほどで合格証が届きます。1・2級は合格証と同時にバッチも送付されます。合格証は承認申請といった際にも使用可能なので、大切に保管しておきましょう。
ドローン検定階級別の試験内容
「ドローン検定」は4つの階級に分かれていると前述しましたが、ここからは階級別で詳細な試験内容について紹介します。以下の内容は4つの階級で共通しています。
試験方式:筆記試験、4択マークシート形式
問題数:50問(1問2点)
試験時間:90分
合格条件:80点以上
また、それぞれの階級で試験範囲や受験料などが異なりますので、よく確認してください。
知識問題で問われる範囲
「ドローン検定」は筆記試験になっており、「基礎知識」「物理学」「工学」「気象」「専門知識」「法令」の6つの項目に分けられています。さらに、項目ごとに小項目が設けられています。
「基礎知識」:用語、動作、組織、制度・国際情勢、単位、三角関数
「物理学」:力学、熱力学、流体力学、電磁気学
「工学」:航空工学、材料工学、流体工学、電気電子工学、無線工学
「気象」:気象学基礎、航空気象学
「専門知識」:機体構造、姿勢制御、バッテリー、送信機、GNSS、リスク、責任・保険、飛行計画
「法令」:無人航空機関係、電波関連、刑事民事その他
また4級から1級へ階級が上がるにつれ、出題範囲が多くなり、特に1級はすべての項目が出題範囲となります。以下で詳しく解説します。
ドローン検定1級
1級では操縦・管理・設計を行う上で必要な専門知識の有無が問われます。2級までと異なり、工学や物理学などで、熱力学や流体工学、無線工学のような細かい知識まで網羅する必要があります。また、試験開催日は年に3回(1月、5月、9月)と、ほかの階級に比べると少なく、受験資格はドローン検定2級の取得です。
受験料は18,300円です。ただし、(第41回)令和4年5月22日試験分より18,800円となりますので、ご注意ください。
ドローン検定2級
2級ではドローンを操縦・管理するために必要な機体と技術に関係する知識や気象学、法令、リスク管理に関わる知識が問われます。1級に比べれば試験範囲は狭いですが、電気電子工学や航空気象学のような専門的な知識も必要となるので、対策は必須です。
試験開催日は年に6回(1月、3月、5月、7月、9月、11月)で、受験資格はドローン検定3級の取得です。
受験料は12,200円です。ただし、(第41回)令和4年5月22日試験分より12,900円となりますので、ご注意ください。
ドローン検定3級
3級では基礎知識や機体の特性、および無線や法令に関する問題が出題されます。試験開催日は年に6回(1月、3月、5月、7月、9月、11月)で、受験資格は特にありません。ただし、2級の受験には必須となる資格なので、確実に取得できるよう、テキストを活用して対策を忘れずにしてください。
受験料は5,600円です。ただし、(第41回)令和4年5月22日試験分より6,600円となりますので、ご注意ください。
ドローン検定4級
4級ではドローンを安全に運用するために必要な基礎知識や法令についての知識が問われます。内容はほかの階級と比べ簡単ですが、勉強なしでの合格は難しいため、テキストで勉強をおすすめします。試験開催日は年に6回(1月、3月、5月、7月、9月、11月)で、受験資格は特にありません。
受験料は3,000円です。ただし、(第41回)令和4年5月22日試験分より3,200円となりますので、ご注意ください。
ドローンを活用したサービスDroneRoofer
最後に「ドローン検定」に合格後、ドローンを実際に扱う際に、役立つサービスを紹介します。それが、株式会社CLUEが提供する申請から導入支援までセットになったドローンサービス「DroneRoofer」です。本サービスでは、ドローンの販売だけでなく飛行許可申請の手配もサービスの一環となっています。また、点検・相談なども容易に可能となるので、上述の資格取得と併せて、ぜひご検討ください。
まとめ
専門的な資格を保持していることは、顧客に安心感を与え、自身や自社のアピールにもつながります。今回紹介した資格は、いずれもドローンを扱う上で大切になる知識を十分に身につけている客観的な証明となります。資格取得後のパッケージサービスと併せて、ぜひ資格取得を目指してください。