『DroneRoofer(ドローンルーファー)』は、ドローンによる屋根外装点検に必要なドローン本体や操作用iPadのほか、飛行許可申請や専門スタッフによるサポート、ドローン保険までが揃ったパッケージサービスです。
今回はその『DroneRoofer』を活用している有限会社トヨダ工業代表の豊田守様にお話を伺いました。創立90年の歴史を持つ同社は、最近では工場や倉庫などの大規模建物の屋根改修に特化した事業転換を実施し、その結果、商圏を拡大し成功を収めています。この事業転換において『DroneRoofer』がどのように貢献したのかを詳しく伺いました。
貴社の状況に合う適切な、
DroneRooferの活用方法がわかります。
- ・外装点検を誰でも、安全に実施したい
- ・積算や見積など提案準備を効率化したい
- ・リフォーム提案で他社と差別化したい
目次
ドローン画像による屋根仕事の「見える化」で、業界の常識を変える
―― どのような経緯で『DroneRoofer』を導入されたのですか。
ドローンの存在を知った時、即座に「屋根工事に活用できる」と直感し、約3年前に『DroneRoofer』を導入しました。
通常、お客様が屋根工事の様子を直接見ることはありません。そのため、もし業者が質の低い工事をしたとしても、お客様がそれを確認することは従来不可能でした。実際に私たちがお客様の屋根に上がってみた時に、前の業者が使った足場道具が放置されている事例も非常に多くありました。また、屋根の状態が見えないので、お客様が業者の言いなりになってしまうことがよくありました。30年以上屋根の上で仕事をしてきましたが、この不透明さが課題であると強く感じていました。
しかし、ドローンを活用すれば、屋根の上空から撮影した画像をお客様に提供し、その屋根の状態や改修の提案について詳細に説明できるため、お客様に納得していただいた上で工事ができます。仕事の不確実な部分をなくすことができ、私たち自身も責任と自信を持って仕事ができます。
――『DroneRoofer』を選んだ決め手は何でしたか。
飛行前後のサポートが充実していたことです。他社の製品もいくつか検討しましたが、最終的にはこの点が決め手になりました。
私たちは、導入を検討し始めたときから、ドローンを操作すること自体はそれほど難しくないと考えていました。むしろ、飛行前の許可申請や、使用中に問題が発生した場合の保険など、飛行前後のサポートの方が重要でした。『DroneRoofer』はこれらのサービスを一体化させて提供しているため、初めてドローンを使用する際の不安も払拭できるだろうと考え、導入に至りました。
実際にアプリを使用すると、とても簡単にドローンを操縦できますし、手厚いサポートに助けられています。導入のハードルは非常に低いと感じましたね。
元請け率の向上と商圏拡大につながった点検精度の高さ
――御社は主に工場や倉庫などの大型建物の屋根改修を行っていますが、もともとそのような業態だったのですか。
以前は地場の工務店からの下請け案件が多い一般住宅を手掛けていましたが、元請けの仕事を増やしたいと考え、大型建物にシフトしました。同業他社の中でも大型建物を積極的に取り扱う企業は少なかったので、その分野に特化すれば差別化が図れると考えたのです。
――大型建物にシフトしていったことで、元請け率は変わりましたか。
現在、ほぼ9割が大型建物の案件で、元請けの割合は以前の2倍程に増えました。これにより、当社の商圏も大幅に拡大しました。以前は岐阜と愛知が主要な地域でしたが、現在では岐阜と愛知に加えて静岡、長野、滋賀にも事業を展開しており、さらに北陸地方にもお客様がいらっしゃいます。
―― その業務の転換、商圏の拡張とドローンの導入とは関係していますか。
はい、関係していると思います。特に、ドローンの導入は私たちの業務において点検調査の精度を飛躍的に向上させ、お客様から高い評価を受ける要因となっています。遠隔地である北陸地方からも引き合いが来るようになったのは、ドローンの導入が要因と言えるでしょう。
初めは「ドローンで点検します」とお伝えすると、担当者からは「それで大丈夫ですか?」と疑念の声が上がることもありました。しかし、ドローンのカメラは高解像度で、屋根の状態を詳細に確認することができます。そのため最近では、担当者からは「そこまで詳細に点検できるのか」という驚きの声が聞かれるようになりました。
ドローンを使用することで、お客様に屋根の状態を視覚的に示すことが可能になったことが大きな利点です。
制約が多い大型建物の点検、従来の課題が一気に解消
――ドローンを活用することで、実際の現場作業はどのように変わりましたか。
大型物件の点検調査において、以前は予測に頼らざるを得ない場面が多くありました。新築物件の場合と異なり、工場や倉庫では、建物が稼働している状態で点検や改修作業を行わなければなりません。そのため、屋根の一部に立ち入れないなどの制約があります。このような場合、屋根の状態を下から見るか、建築図面を参考にするしかありませんでした。
Google Earthを使用して屋根の状態を確認することもありましたが、リアルタイムの画像ではないため、実際に屋根に上がってみると、Google Earthの画像にはなかったダクトが存在するなど、予測できない事態が起こることも少なくありませんでした。しかし、ドローンを導入することで、屋根全体の状況がリアルタイムに確認できるようになり、そのような課題が解消されました。そのため、現場作業において、従来とは比較にならないほどの効率と精度を得られるようになりました。
―― 作業効率や作業時間の短縮といった面ではいかがですか。
以前は2人で行っていた点検作業が今では1人で済むため、作業効率は大幅に向上しましたね。点検対象の屋根面積は通常300㎡から1000㎡程度であることが多いのですが、事前調査1件あたりの飛行時間は平均で約45分です。従来は1日に1件の点検が限界でしたが、今では1件あたりの作業に半日あれば十分です。
しかし、それ以上に大きな利点は、やはり作業の安全性です。工場や倉庫には古い設備が多く存在します。以前は、かなりの高さがある場所でも無理に梯子を登ったり、錆びついたタラップを不安に思いながら登り降りすることがありました。従来は仕方なくそのような危険な作業を行っていましたが、ドローンの導入によってこれらのリスクが軽減されました。
『DroneRoofer』の活用で広がっていく将来の業務イメージ
――『DroneRoofer』の機能で、役立っていると感じている点は何ですか。
まず一つは積算機能です。以前は、屋根の面積を計算するために、建物の間口、奥行、桁行の寸法を手動で測定していました。しかし『DroneRoofer』を使うと、それらの手間が不要となり、即座に面積が計算され表示されます。これにより作業時間が約6時間短縮され、1日に調査できる件数が2倍に向上しました。また、報告書もアプリ内のテンプレートを使用してその場ですぐに作成でき、工事提案を迅速に行えるようになりました。
さらに、アプリのアップデートで新しい機能やサービスが自動的に提供されるのも便利ですね。それに関連する勉強会などもあり、私たちの知識とスキル向上に非常に有用なツールとなっています。
―― 御社の事業について、今後の展望をお聞かせください。
今後、元請けの仕事をさらに増やしていきたいですね。サービスの提供を拡大させるために、社内の体制を整えていく考えです。
調査から施工までを一貫して行う弊社では、人材不足のため、私一人でドローン点検を行っているのが現状です。今後、従業員を増やして調査部門と施工部門を分業させ、それぞれを専門化することで、業務を効率化させたいと考えています。そうすることで、多様な現場の要求にも応えられるようになるでしょう。ドローンを業務で使用することは、従業員の募集の際にも大きなアピールポイントになるのではないかと期待しています。
――『DroneRoofer』の今後についてはどのような期待をしていますか。
倉庫や工場などの大型建物への業務シフトは重要な一歩であり、その中で『DroneRoofer』の導入が大きな進展をもたらしたと考えています。確実な点検・施工をお客様に提供できるようになったことが、最も大きな成果です。
私の座右の銘は「温故知新」です。世の中がどんどん便利になっていく中で、以前の不便さを知らないと現在の快適さが理解できないと思います。一方で、新しい技術や方法を試すことなく、その真価を理解することはできません。
将来的にはドローンの活用範囲が広がり、『DroneRoofer』もさらに進化していくと予想しますが、何事もまずは試してみて、良いものを取り入れていく姿勢を忘れずにいたいですね。これは私が弊社の従業員に日々伝えたいことであり、新しい仕事のアイデアが生まれる源であると思っています。
まとめ
取り扱い対象物件を、一般住宅から大型建物へ戦略的にシフトした有限会社トヨダ工業様。ドローンの導入により、稼働中の工場や倉庫でも効率的に屋根の点検が可能となり、業務の安全性も向上しました。また、競合他社との差別化に成功したことで、商圏の拡大も実現しました。代表取締役の豊田様はキャンピングカーを移動事務所として利用するなど、現代的で柔軟な方法を積極的に取り入れています。『DroneRoofer』は、トヨダ工業様のように先進的なアイデアや方法を取り入れ、事業を成功させたいと考える屋根外装事業者様を応援します。今後も『DroneRoofer』を活用し、新たな可能性を追求してくだされば幸いです。