CASE STUDY

ドローンで屋根を当たり前に点検する時代がやってきた

神清
神谷昭範 様

「屋根から笑顔をつくる」を合言葉に、慶応4年に創業された150年の歴史を誇る愛知県の老舗企業「神清」。神谷昭範さんはドローンを自動操縦して屋根の撮影ができる「DroneRoofer(ドローンルーファー)」を導入しました。
現在は屋根工事業者が利用しているドローンでの屋根点検ですが、なぜ購入を決めることができたのか、不安や心配はなかったのかなどドローンの導入について伺いました。

ドローンのルールは自分でつくる

ーー普段はどういったお仕事をされているのでしょうか

もともと三州瓦のメーカーで屋根瓦の製造、販売と屋根工事をしています。最近は雨漏り調査・補修の業務などもしています。創業は慶応4年です。一応老舗ってことになりますかね。

ーーDroneRooferの導入に至った経緯を教えてください。

ドローンで撮影しても、その写真から診断するのは屋根の知識がないとできません。いま業界の流れとして、屋根の診断を知識がない人がやっていることが多々あります。
私たち屋根屋がしっかりとドローンでの点検ができるようになれば、自分たちで屋根点検の当たり前を作り上げられると思います。
少し話は逸れますが、太陽光パネルって今はほとんどが電気屋さんが屋根に設置しているんです。屋根屋は「屋根に穴を開けて設置するなんてダメだ」と言って注目していなかったら、国策になって太陽光パネルブームになり、電気屋さんのスタンダードで設置基準が決められました。
屋根のプロフェッショナルの知識を持ってすれば長持ちする家のための設置方法にできたのに、とても悔しい気持ちです。
ドローンという新しい技術が屋根業界に入って来た今、直接屋根に登った方がいいと言って毛嫌いするのはもったいない。
今のうちから屋根屋がドローンのルールを作るくらいの気構えで、取り入れて行った方が業界を守れると思い投資半分、活用半分ぐらいの気持ちでDroneRooferを取り入れました。

 ーーDroneRooferはどういった場面で活用していますか。


「点検」と「お客様への説明」の2つで考えております。 点検というのは、単純に屋根の上に飛ばして点検するものですね。1番よくイメージできるもので私たち屋根屋の効率化です。
「お客様への説明」というのは、例えば「屋根を変えようかな」「リフォームしようかな」と悩んでいるお客様のために「こんな風に変化したんですよ」と工事の前後に屋根を撮影して説明するためのものです。この説明ってすごく重要なんですよ。
当たり前ですが屋根は下から見ることはできません。見えないものにお金を払うし、結局どう良くなったのか良く分からないというのは不安です。
それがドローンで撮った写真を見せながら「これだけ汚れていましたよ」「壊れていたところをこんな風に綺麗で健全な屋根にしました」と説明することで安心してもらえます。
「お客様に理解していただける」これが今までできていなかったので、もし屋根について理解していただけるようになれば革命的です。

屋根業界のことを本気で一緒に考えてくれる

ーーDroneRooferで点検してみていかがでしょうか

意外とできるというのが正直な反応ですね。もっと使えないかと思っていました。今時のドローンは画質も良く瓦もくっきり表示されます。 強いて言うならただ雨漏りの点検は難しいかもしれないですね。
ドローンだと表面の状態を撮影しますが、雨漏りの原因は内側にあることが多いんです。
ドローンですべてを解決しようとするのではなく、ドローンが得意なところ、人が得意なところなどを住み分けて利用していければと思います。
例えばドローンは、漆喰が崩れていないかの点検や屋根の作りが旧工法かどうかの点検、または損害鑑定や診断などが得意ですね。

ーー創業150年以上の老舗企業が、新しいテクノロジーを導入することに対する迷いや周りからの反対はありましたか?

導入に対して対して迷いはなかったですね。逆に我々のような老舗企業が、誰よりも早く変化に対応して未来をつくっていきたいと常々思っています。
実際に導入するなら早くやるに越したことはないので、周囲からDroneRooferの話を聞いてすぐに導入を決めました。
心配ですか?うーん、なかったと言えば正直ウソになりますが、DroneRooferを開発しているみなさんが、屋根業界と密に連携して動いてくださっているのは知っていたので、そこまで心配はありませんでしたね。
彼らは本当に屋根のためを思った運営をされていますし、丁寧に自分たちのためだけじゃなく屋根業界全体のことを本気で考えて運営してくださっているのが営業の方の話し方などから滲み出ています。
私としては、これだけ使いやすくて屋根全体のことを思ってくれている、DroneRooferがドローンを使った屋根点検の標準というかスタンダードになってほしいと思ってるぐらいです。なので安心して導入できました。

ーー導入した上での良い点、悪い点をそれぞれ教えてください

良い面は人が登って危険な作業をしなくて済む点ですね。 10mくらいまではハシゴを掛けられますが、それ以上になると今まではわざわざ足場を組んで登っていたんです。それがドローンなら全く高さ関係なく飛ばして見るだけなので良いです。
逆にドローンが出来ないところで言うと、屋根の内側の状況はドローンでは見れないですね。ドローンに手が生えて瓦を剥がして見てくれるとなると別ですが(笑)。

諦めていた保険ドローンを使えばOK

ーーはじめて、ドローンが自動で動いた時はいかがでしたか

おおお、簡単だな!と思いました(笑)実際、本当におどろくほど簡単なんですよ。 動かす前はモニターを見ながらコントローラーを操作して…というのを想像していたので難しいんじゃないかなと思っていました。
実際はボタンひとつ押すだけでビョーーンと空高く上がって写真を撮ってまた降りてきてくれる。いやこれは本当に凄いなと思いました。

ーー実際に使ってみて周囲からの反応はいかがでしたでしょうか?

「ドローン初めてみたー!」といって地域に人たちが集まってきて写真を撮ったりしていますね。人気者になった気分です(笑)

ーードローンを使うようになってから何か変化はありましたか?

あー、実際にわかりやすく儲かった話がありますよ。 ある日、現場で屋根に着いている換気のためのプロペラが強風で中途半端に壊れたんですよ。保険会社の方に相談したら「屋根から外して写真を撮ったら保険が下りるかも」と言われたんです。
でも外すのが大変で大変で。ちゃんと外そうと思うと大型クレーンを使って外さないといけないし、外してしまったらまた直さないといけない。
どうしようかなと思って、内側までは見えないけど、とりあえずドローンで写真を撮って提出したら、なんと保険が下りたんですよ。これだけでドローンに投資した分も既に回収できたと言えますね。こんな回答でいいですか(笑)。

ーードローンを使うことで作業の効率は上がるのでしょうか?


新しい点検方法が可能になると言えますね。今までは屋根に登れる人だけが点検ができたけど登れない人がドローンを飛ばして点検できるようになるのかなと思います。

使ってみないと良い使い方は発見できない

ーー屋根業界に対する課題やジレンマがあれば教えてください

課題で言うと、私たち屋根屋ってそんなに営業が得意じゃないんです。ハウスメーカーさんと違って工務店さんから屋根屋に仕事が来ることが多いんですよ。
屋根屋に直接電話がかかってくることってそんなにないんです。 それがドローンを使って屋根屋が点検をするようになれば、お施主さんから我々に直接依頼がくる可能性もあるのかなと思います。

ーー屋根点検の未来について

屋根の定期点検が根付くことが未来ですね。普通の人が一生で屋根について考えるのなんて1度や2度くらいだと思うんです。
点検の際にちょっとずつでも正しい情報を伝えて、知識が少しでも増えていったら屋根への関心や意識が高まりますし、悪徳業者に騙されそうになっても判断できるかもしれません。
例えば、災害や台風の被害で屋根が壊れた場合は修理に保険が下りますが、経年劣化だと下りません。 これが定期的にドローンで写真を撮っていれば、悪徳業者に保険が下りないと騙されても経年劣化ではない証明ができるかもしませんよね。
たかが屋根の写真1枚って思うかもしれませんが、その1枚がどれだけ価値があるものなのか。これを理解してもらいたい。しかも簡単に残せる。こんな良いことはありません。

ーーDroneRooferの期待していた以上の効果があればお聞かせください

まだ正確には検証できてはいないのですが、屋根のクラックを早期に発見できるんじゃないかなと期待しています。 クラックができてすぐはなかなか発見できないんです。
10年とか経ってやって目に見えた時には経年劣化ですねと言われて補修するしかない。
今はそれを発見することが出来ないのですが、ドローンを使ってクラックの早期発見ができれば結構面白いんじゃないかなと思ってます。
あとは何度も言うように、「上から屋根の写真を1枚残せる」これがどれだけ価値があるのか。屋根屋ならすぐにわかると思いますよ。

ーーDroneRooferの導入を検討している人にアドバイスをするとしたら、何と言いますか

ドローンでの屋根点検が、まだ業界としても見つかっていないかもしれません。
ただ使ってみないと良い使い方は発見できないですよ。
屋根業界でドローンを使いこなしている人はあまりいない状態なので、今ならドローン屋根点検の最先端な人になれる可能性があります。導入おすすめしますよ。

文:齋藤 夏美
編集:株式会社CLUE
神清  http://kamisei.co.jp

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