2023年9月23日

簡単操作で高精度に積算できるアプリとは|建物調査の新常識

建物の屋根や外壁面積を計算することは、リフォームや塗装、屋根外壁工事業者にとって大切な業務工程です。従来は屋根に登って面積を実測したり、床面積から屋根外壁の面積を概算することが一般的でしたが、さまざまな課題もあり、現在では多くの面積計算アプリが世に出ています。
この記事では、面積計算アプリでどのようなことができるのか、現在の面積計算アプリの課題について説明し、建物の面積計算を行うためにはどのような機能を持ったアプリが必要なのかについて、わかりやすく解説します。

屋根点検用ドローンで積算した結果
DroneRooferの資料

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建物面積計算の現状と課題

従来、屋根外壁の面積計算は、さまざまなアナログ手法によって行われていました。この章では、従来の面積計算の3つの手法を取り上げ、それらの手法によって発生する課題を列挙することで、現在世に出ている面積計算アプリが従来手法のどのような課題を解決すべく生まれたのかを説明します。

1.従来の面積計算の手法

・図面を基に面積計算を行う手法

リフォームや塗装等、工事を行う物件に図面が残っている場合、または自社で新築した物件を施工する場合には、面積計算にあたって現地調査をすることなく、図面から面積を割り出すことが可能です。ただし近年、リフォーム等の工事を「以前に工事を頼んだことがある・使い慣れている」を業者選びの重視ポイントにしているお施主様は全体の1割程度と、低い割合です。
これらのことから、施工をおこなう物件の図面が手に入る確率は低く、図面を基に屋根外壁の面積計算を行うことができるケースは少ないと言えます。

業者選びの重視点
参考) http://www.j-reform.com/publish/pdf_h23/internet-H23-hyoushi.pdf

・はしごや足場を使って高所に登り、実測する手法

複雑な形状の屋根や、見積のために正確な屋根外壁面積を計算したい場合には、はしごや足場で高所に登り、スケールを使って実測する手法が用いられます。しかし、日本の住宅事情上、隣家との距離が近かったり、総二階の物件等ははしごがかけづらく、高所に登っての実測は危険を伴う作業になります。
面積計算をいつ行うかにもよりますが、塗装や屋根の葺き替え、板金工事の場合等は、初期見積段階でははしご等を使わず、次に挙げる床面積を根拠にした概算の手法を用いるケースが多くあります。

・1階部分の床面積を実測し、屋根壁の係数を掛けて面積を概算する手法

屋根面積計算の手法として多く用いられているのが、「延床面積から外壁や屋根の面積を概算する手法」です。具体的には、1階部分の延坪面積を実測し、延床面積に各種の係数(外壁は1.2、屋根は勾配によって1.1か1.2)、を掛けて計算します。この手法は面積計算にあたって図面も、高所に登る必要もないため、簡易的な手法として広く受け入れられています。
概算の面積を求めるには便利な手法ですが、物件はそれぞれ形が異なるため、計算結果が正確とは限りません。特に屋根面積は、延床面積の大きさによって係数値1.1と1.2の計算結果が大きく変わるため、実際の面積との乖離も大きくなってしまう可能性があります。

※例えば、東京都の住宅平均延床面積(64.48平方メートル)に対して、係数1.1だと屋根面積は【70.93平方メートル】、係数1.2は【77.38平方メートル】となるため、工事見積に使う面積が6平方メートル以上変わってしまうことになります。
※ちなみに、全都道府県で最大となる平均延床面積(富山県、152.18平方メートル)の場合には、両計算結果の間で15平方メートル以上の差が生まれます。

http://www.yaneyasan13.net/yane-menseki
https://gaiheki-concierge.com/article/wall-area/

2.従来の面積計算手法の課題

面積計算に用いられる手法をここまで3つ紹介しましたが、この記事で解説する面積計算アプリは、これら従来の手法で発生する課題を解決するために生まれたものです。従来の面積計算手法の課題を、以下にまとめます。

・面積計算の速度

従来の面積計算は、はしごを使った実測でも、延床面積から概算を求める手法でも、対象物件に対して現地調査を行い、スケールを使ってある程度の長さや面積を求める工程が必要でした。このことから、見積に必要な面積計算に時間がかかってしまい、現場調査から見積提出までのリードタイムが長くなってしまう、という課題が発生します。

・面積計算の精度

先に挙げたとおり、延床面積に係数を掛けて屋根外壁の面積計算を行うことは、計算精度の点で課題があります。特に塗装や屋根の葺き替え等の場合には、面積計算の精度が低いと必要な部材が足りない/余る等の事態が発生したり、見積金額の上振れや下振れが発生してしまいます。

・面積計算に対する、お施主様の信頼性

上記の課題と関連しますが、部材の不足や見積の上振れを防止するために、「はじめから最大の係数で面積を概算しておく」といった手法が取られるケースもあります。この場合は確かに部材不足や見積超過は発生しませんが、お施主様からすると「念の為に高いお金を払う」ことになり、面積計算からの見積金額に対する信頼性が揺らぐリスクがあります。

近年、これらの課題を解決するために、スマートフォンやタブレット、パソコン等で使える面積計算アプリが多く誕生しています。それらの面積計算アプリで、どんなことが出来るのでしょうか。
次章では、さまざまな面積計算アプリの計算機能や、その課題について詳しく解説します。

普及しつつある面積計算アプリと、面積計算アプリによって生じる新たな課題

前章では、従来の面積計算手法の課題を紹介し、その課題について説明をしました。それらの課題を解決すべく生まれた面積計算アプリは従来の課題を解決しうるものですが、アプリによって新しく発生してしまう課題があることもまた事実です。
この章では、面積計算アプリのさまざまな課題解決のアプローチを説明し、さらにそれによって生まれる課題を列挙することで、面積計算アプリに本当に求められる要素は何なのかを明らかにします。

1.一般的な面積計算アプリで、どのように面積計算ができるのか

面積計算アプリとひとくちに言っても、その機能や面積計算手法はさまざまです。まずは市場にみられる面積計算アプリについて、代表的な面積計算手法を解説します。

・Google mapの航空写真を基に面積計算する手法

平面の面積計算を行うにあたり、幅広く使われているのがGoogle MAPの航空写真を基にした面積計算アプリです。この種のアプリは任意の物件や土地区画をGoogle mapから選択し、エリアをタップすることで大まかな面積を計算する手法を採用していることが多く、従来の手法で言う「1階部分の床面積を算出する」ことができるようになっています。このアプリの手法により、面積を計算したい物件に実際に訪問、調査を行うことなく、床面積の概算を求めることが可能です。

Google mapの航空写真

・iPad等に標準搭載されているAR(拡張現実)キットを使う手法

iOS11以降のOSが搭載されているiPadの多くは、ARキットと呼ばれる拡張現実機能を有しています。拡張現実機能とは、iPadのカメラで撮影した画像、あるいはカメラに写っている映像に、仮想上の点を打ったり、線を引いたりして長さや面積を求めることができる機能です。(iPhoneをお持ちの場合、「計測」というアプリがそれにあたります)
ARキットを使った面積計算アプリは、壁面にiPadやiPhoneを向けて撮影し、その画像をタップすることで面積計算を行うことができるため、スケール等を使って実測する手間が省ける、という利点があります。

・仮想上で図形を組み合わせる等して作図する手法

仮想上で作図する手法は、Google MAPやARキットとは異なり、現実の写真を基にせずに面積を求める点に特徴があります。主な手法としてはアプリ内にさまざまな形(四角、三角、台形など)が用意されており、それらの図形を変形させたり組み合わせたりして実際の屋根や外壁に近い形にする、というものです。作成した画像をそのまま図面として保存できる、という点にメリットがあります。

2.一般的な面積計算アプリの機能、使い勝手における課題

ここまで、代表的な面積計算アプリの計算手法について紹介しました。それぞれの機能や計算手法は異なっても、「スケールを使った実測をしなくても良い」という点で、従来の面積計算手法に見られた課題を解決することができることはお分かりいただけたと思います。
しかし、これらの手法を使っても、解決されない課題が残ったり、新しい課題が発生することもあります。どのような課題が発生するのかについて、それぞれ説明します。

・Google mapを使った手法

この手法における一番の課題は、航空写真が古い可能性があるということです。Google mapの航空写真は半年〜1年で更新されると言われていますが、それよりも古い写真が残っている場合も多く、測定したい土地の区画が変わっていたりする可能性があります。(Google ストリートビューについては、更新に5年以上かかるケースもあるようです)
また、航空写真を基に平面の面積を測定できる機能であるため、側面から撮影が必要な外壁面積を算出することが出来ず、屋根についても勾配を考慮できないため、従来の手法で課題とされていた面積計算の精度については解決することが出来ません。

・ARキットを使った手法

この手法の場合には、Google MAPよりもリアルタイムに測定を行うことができるものの、iPadやiPhoneを手に持って撮影することが前提である以上、屋根等の高所の面積を測ることはできない、という点にデメリットがあります。高所を面積計算するには自分で登るか、あるいは床面積からの概算で計算を行う必要があるため、これもやはり従来の手法の面積計算の精度を完全に解決するには至りません。

・仮想上で作図する手法

仮想上で作図する際には、根拠となる数字が必要になります。例えば外壁の底辺は何mmなのか、三角形にあたる部分の角度は何度になるのか、といった要素がなければ、作図を完成させることはできません。したがってこの手法は、「実測をおこなった壁や屋根について、アプリ上で再度作図する」という工程を担保するものと考えるべきです。
また、この種のアプリの多くはパソコン用の作図ソフトなので、お施主様に向けてすぐに図面を作って提出する、といったことができない、というデメリットもあります。

3.面積計算アプリの課題まとめ

面積計算アプリは、これまで行っていた手法での面積計算を簡単・便利にし、特定の課題を解決してくれる便利なものですが、全ての課題を解決できるわけではなく、新たな課題を生んでしまう可能性もあるものです。
本当に必要な面積計算のアプリとはどんなものでしょうか?ここで、これまでの話を整理すると共に、面積計算のアプリに求められる要件を2つ定義します。

・アプリによって「これまで出来なかったこと」が出来るようになること

従来の面積計算手法の課題、例えば床面積に係数を掛けて屋根外壁の面積を概算する、等により精度や信頼性に課題があった部分を改善できることが、アプリに求められる最低要件です。また、その際に、いくら便利に簡単に面積計算ができたとしても、その計算精度が悪ければ活用することはできません。面積計算アプリには、信頼できる計算精度を担保できることが不可欠です。

・アプリによって「これまで出来ていたこと」が出来なくならないこと

一般的な面積計算アプリの手法では、高所の面積計算ができなくなってしまったり、航空写真が古い場合には使えない、等の課題が発生してしまうことで、結局は従来の面積計算手法に頼るしかなくなってしまう、というケースもあります。
面積計算のアプリには、「それまで出来ていたこと」の担保を大前提とした上で、上記のようなプラスアルファのメリットを提供する必要があるのです。

次の章では、これらの課題を解決するアプリとして、【DroneRoofer(ドローンルーファー)】というアプリをご紹介します。DroneRooferによってどのように課題を解決できるのか、順を追って見ていきましょう。

簡単操作で高精度に積算ができるアプリとは

この章では、前章に挙げた面積計算アプリの諸課題を解決し、面積計算アプリに必要な要素を満たしているアプリとして、
【DroneRoofer(ドローンルーファー)】というアプリをご紹介します。
DroneRooferによって、どのように面積計算の課題を解決するのか、なぜDroneRooferは課題解決が可能なのかを、詳しく解説します。

1.DroneRooferとは

DroneRooferとは、ドローンを使った屋根外装点検、面積計算、お施主様への報告書作成機能など、現地調査から各種の工事提案までの業務フローをワンストップで支援する「ドローン点検・提案アプリ」です。DroneRooferの内部に含まれている屋根外壁の面積計算機能によって、従来の面積計算手法における課題を解決し、なおかつ一般的な面積計算アプリに見られるようなデメリットを払拭することができます。

2.DroneRooferが「面積計算アプリに必要な要素」を満たせる理由

DroneRooferによる課題解決の方法は、【ドローンによる空撮性能、リアルタイム性】【独自の画像分析技術】【オールインワン型アプリ】の3つの要素で説明することができます。順番に説明していきます。

・ドローンによる空撮性能、リアルタイム性能

DroneRooferは、面積計算を行いたい物件の周囲をドローンで撮影し、その画像を使って面積計算を行うことができるアプリです。Google mapを使った手法に見られた「建物や土地の現在の状態が撮影できるとは限らない」という課題がドローンの撮影によって解決できるだけでなく、ARキットを使った手法に見られた「高所の撮影ができない」という課題も払拭することができるため、Google mapの手法の空撮という要素と、ARキットの手法のリアルタイム性を両立することができる仕組みになっています。

・独自の画像分析技術

DroneRooferの面積計算機能では、独自の画像分析技術が使われています。一般的な面積計算アプリでは屋根勾配や壁の高さが考慮できず、結局は床面積に係数を掛けた数値に頼らざるを得ないのに対し、DroneRooferは任意の勾配を選択することで、係数を自動計算し勾配を考慮に入れた屋根面積を算出することができます。
壁面に対しても、ドローンの飛行高度やGPSを基にした現在位置情報をセンサーが認識し、壁底辺の長さや開口部の長さ等を自動判定することが可能です。
分析精度についても、実面積に対し±0.5%の高精度な面積計算を可能にしており、係数をつかった面積計算よりも正確な、納得性の高い見積根拠を作ることができます。

・オールインワン型アプリ

すでに触れた通り、DroneRooferはドローンでの撮影、面積計算、計算結果の報告までをひとつのアプリの中で行うことができる「オールインワン型アプリ」です。パソコン用のアプリやソフト等とは異なり、撮影したその場で面積計算まで行うことが可能なので、即時性や業務の一貫性の点で従来の面積計算手法や、一般的な面積計算アプリよりも利点があります。

まとめ:DroneRooferを使った面積計算の手法

最後に、DroneRooferを使った屋根外壁面積の計算方法について、ステップ別に解説します。ステップ別といっても、DroneRooferの面積計算は2ステップで完了するため、非常に簡単なものになっています。

ステップ1:ドローンの飛行〜撮影

面積計算したい任意の物件の周辺スペースにドローンを設置したら、iPadでDroneRooferのアプリを立ち上げます。DroneRooferはドローンの操縦にあたり、スティック(操縦桿)を使った煩雑で難しい操作は一切必要ありません。iPadに表示されるガイドに沿って画面をタップしていくだけで、誰でも簡単に、安全にドローンを飛行させられます。

DroneRooferで壁、屋根の積算を行った結果

屋根の面積計算をしたい場合は、屋根の真上にドローンを移動させて撮影ボタンをタップします。もちろんドローンの移動もiPadの画面タップだけで完了するのでご安心いただけます。壁の面積計算をしたい場合には、任意の壁面が画角に全て収まる状態で撮影ボタンをタップするだけです。

ステップ2:撮影した画像を基にした面積計算

ドローンでの撮影がひととおり完了したら、ドローンを着地させて面積計算を行います。屋根面積の計算では、ステップ1で撮影した画面を選択し、面積計算したい屋根面をタップで選択します。全ての面の選択が終わったら、地上からでも計測可能な任意の部位の長さ、任意の面の勾配をそれぞれひとつずつ入力するだけで、DroneRoofer独自の画像解析技術により、他の部位の長さとそれぞれの面の面積が自動計算され、全体の屋根面積の計算が完了します。
壁面積を計算する場合は、屋根面積よりもさらに簡単です。ステップ1で撮影した画像を選択し、面積計算したい壁面と、窓やドア等の開口部をタップで選択するだけで、ドローンの飛行高度やGPS等の情報から、全ての線の長さ、開口部を含む面積をアプリが自動で算出してくれます。

詳しい操作画面や、使い方について知りたい場合は、以下のフォームからDroneRooferの資料を無料でダウンロードできますので、お気軽にお申込みください。

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