2023年9月16日

ドローンで屋根を点検する5つのメリット|おすすめツールも紹介

ハシゴを使って屋根に登る従来の点検手法に対し、ドローンを活用した屋根の点検は、従来の業務課題を解決し、多くのメリットを生む手法です。しかし、具体的にどのようなメリットがあるのか、メリットを最大化するためには何が必要なのか等、情報が不十分な点が多いのも事実です。

本記事では、ドローンでの屋根点検業務に具体的なイメージを持っていただくために、メリットの詳細やドローンの活用で発生する業務変化をお伝えし、実際にドローン屋根点検を始めるために必要な要素とおすすめのツールまで、詳しく説明します。

屋根
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ドローン屋根点検とは

そもそも、ドローン屋根点検とはどのようなものでしょうか。本章では、まずドローン屋根点検が誕生する背景となった屋根点検業務の課題について説明すると共に、ドローン屋根点検の概要についてお伝えします。


1.従来の屋根点検手法とその課題

従来の屋根点検は、ハシゴや足場を使って屋根に登り目視や触診等を通して屋根の状態を把握する業務です。屋根に登るときは多くの場合、ハーネス等の命綱をつけない状態になってしまっており、屋根の材質や天候の条件によっては足を滑らせて転落してしまう等のリスクがあります。
また、お施主様から見ると、職人が屋根に登っているときにどのような作業をしているのか分からない、撮影された屋根の写真を見ても実感がわかない等、屋根の状態を職人から説明される際の説得力・納得度の点でも課題があります。
さらに、場合によってはハシゴを掛けられない屋根がある、屋根に登るための技術の習得には長い時間がかかる等、従来の屋根点検業務は多くの課題を抱えています。


2.ドローン屋根点検とは

上記のような課題を背景に生まれたのが、ドローンを活用した屋根点検の技術です。ドローンを取り巻く技術は日夜目覚ましい進歩を遂げており、一般消費者向けのドローンが手に入りやすい価格帯で提供されはじめたことから、ドローンを活用した点検を行うことがしやすくなりました。
ドローンを活用した屋根点検を行うことで、屋根点検にまつわる多くの業務課題を解決することができます。次章では、ドローン屋根点検によって解決できる課題と、享受できるメリットをそれぞれ具体的に解説します。

ドローン屋根点検のメリット

本章では、ドローンでの屋根点検について全体的なイメージを持つことができるように、ドローンでの屋根点検で得られるメリットと、よく耳にするドローン点検に対する疑問、不安の声を併せて解説します。


1.ドローン屋根点検の5つのメリット


・点検時の安全性が確保できる

地上からドローンを操縦して点検を行うことで、職人が屋根から転落・墜落する事故をゼロにできるため、安全の確保が可能です。


・屋根の現状に関する説明の説得力が向上する

ドローンのカメラが撮影する映像は手元の操縦機に接続されているタブレットにリアルタイムで共有されるため、お施主様と同じ目線で、点検を行いながら同時に説明を行うことが可能です。これにより、どのような点を職人がチェックしているか等がお施主様にも伝わりやすく、説得力が向上します。

・点検業務にかかる時間や工数を大幅に削減できる

ハシゴをかけて点検を行う従来の手法では、屋根に登ってから降りてくるまでに、短くても30分、長ければ60分程度の時間がかかります。その理由は、勾配のついた屋根上を歩き回るのは注意が必要なので、屋根の上を慎重に移動しながら撮影をする必要があるからです。
一方で、ドローンを使った屋根点検なら、最長でも15分程度で目視点検が完了します。なぜなら、従来の点検のように不安定な屋根上を歩き回ることもなく、柔軟に撮影高度と位置を変更できるからです。

・従来では撮影が難しかった箇所を簡単に撮影できる

雨樋や破風板など、屋根際の部分の撮影は従来の屋根点検手法では危険で、至近距離での目視点検は難しいとされています。そのため、このような部位は危険を冒して無理にでも撮影するか、地上からの目視点検や屋根上の遠い場所からの撮影にならざるを得ません。
ドローンを活用することで、このような高難易度の点検箇所も、安全な状態で撮影することが可能です。特に雨樋等は風雨にさらされ、破損している可能性がある箇所なので、このような箇所を簡単に撮影できることは大きなメリットです。

・点検業務のスキルを標準化できる

従来、点検業務のためのスキルは職人に属人化し、特殊かつ高度なスキルとされています。そのスキルは「屋根材を見る力」「修繕箇所を判断する力」「屋根に登る力」などに分解されますが、ドローンの点検によって、「屋根に登る力」を誰でも可能なスキルに変えることができます。これにより、若手新人や、現場職でない従業員でも屋根の撮影が可能になります。


2.ドローン屋根点検に対するよくあるイメージ


ドローンを活用することで、前述の通り屋根点検に多くのメリットが生まれますが、一方でドローン屋根点検に対し、ネガティブな声が聞かれることもあります。この項では、そのような声の内容を具体的に説明し、解決策を探ります。

・触診検査ができない

屋根に対する触診検査ができない、という不安の声があります。現状、ドローンに搭載できるのはカメラだけなので、屋根材を直接触ったり、屋根材の上に立って反りや浮きを確認する手法を使うことはできず、可能なのは撮影画像を基にした点検のみです。

しかし、多くの場合、直接触るべき屋根は目視の時点で何らかの兆候があり、ハシゴに登る従来の手法でも、まずは目視で問題箇所の見当をつけて、次に触って点検する、という順番が殆どです。つまり、ドローン屋根点検を行うことで、修繕箇所がない「登るまでもない屋根」と修繕余地がある「登るべき屋根」を判定することができれば、業務全体としての効率化が可能です。

・飛行音がうるさい

ドローンの飛行音が気がかりである、という懸念もよく聞かれます。通報を受けるのではないか、住宅地で飛行させると近隣住民からクレームがあるのでは無いか等、飛行音に起因する各種のトラブルを不安視される声もあります。
しかし、実はイメージされているほど、ドローンの飛行音は大きくありません。下図を見ると、ドローンの飛行音は屋外で聞いていても静かな乗用車程度、屋内に居れば図書館程度の音量であることが分かります。現場に乗り入れるトラックや車と同程度の音量です。

ドローン騒音レベル
※出典:日本建築ドローン協会
・面積計算ができない

屋根の面積計算を正確に行うためには、屋根に登ってスケール等を用いて各部の長さや勾配を測定し実測するか、図面を基に面積計算をおこなう必要があります。図面もなく、屋根にも登れない場合は、建物一階部分の床面積に一定の係数を掛けて算出する、等の技法がありますが、必ずしも正確な面積が算出できるとは限りません。

ドローンを活用した点検の場合、確かに通常の機能だけでは屋根面積を算出することはできませんが、写真から特定部分の面積計算を行う機能を有したアプリケーション等を併せて活用することで、ドローンでの撮影写真を基に面積計算を行うことができます。

ドローン屋根点検によって、従来の業務はどう変化するか

前章で、ドローンを活用した屋根点検のメリットについて説明しました。また、よく聞かれるネガティブなイメージも、運用やアプリケーションによって解決可能なものや、そもそもが誤解であるもの等、払拭が可能であることをお伝えしました。
本章では、ドローンのメリットを最大化することによって発生する屋根点検業務の変化を、具体的にイメージできるよう、業務の流れに沿って解説します。


1.点検準備

点検業務が多く発生すればするほど、一件あたりの所要時間を短くし、効率化をはかることが重要になります。ドローン屋根点検によって、点検前の準備を効率化できます。

従来の屋根点検業務では、点検対象物件に対応した長さのハシゴをトラック等に積み込み、現場に到着してからハシゴを掛けます。この際、物件の敷地内にハシゴが掛けられない場合には道路に掛ける必要があり、道路使用許可を取得しなければならない等、点検前の業務が煩雑になってしまうことが課題となります。
また、総二階の物件や、屋根の勾配が急である等、全ての屋根がハシゴを登って点検できるわけではないため、そのような場合に備えて高所カメラ等の代替手段を用意する必要もあります。

ドローン屋根点検の場合は、従来の屋根点検業務における工数の多くを削減できます。一般的に屋根点検に用いられるドローンの多くは折りたたんで収納ができるほか、重量は1,000g未満〜3,000g程度と非常に軽く、車の助手席等に置いておける程度なので、持ち運びの手間がかかりません。
また、折りたたみ状態から組み立て完了までは慣れれば3分程度で完了し、ハシゴと違って設置場所を問わないため、現場に到着したらすぐにでも点検を開始することができます。


2.点検中

従来の屋根点検業務とドローンでの屋根点検の間で大きな違いが出るのは、点検中の業務です。ドローン屋根点検のメリットを活かして、より安全性で説得力の高い点検写真を撮影することが可能です。

従来の屋根点検業務では、屋根の上を歩きながらスマートフォンやデジタルカメラ等を使って問題のありそうな箇所を撮影しますが、この際、1章の冒頭で述べた通りハーネス等の命綱をつけていない状態なので、危険が伴います。ケラバや軒先の雨樋、破風板等の屋根際を撮影する際には特に危険が大きくなるため、不安定な位置からの撮影を強いられたり、充分な接写ができない等の課題があります。また、修繕が必要な屋根は脆くなっていることも多いため、屋根上を歩いているうちに屋根材が滑ったり、誤って踏み抜いてしまうリスクもあります。

ドローンを活用することで、従来の屋根点検の手法では不可能な位置・アングルからの安全な写真撮影が可能になるため、修繕が発生しやすい屋根際を、落ち着いてじっくりと撮影できます。
ドローン点検は人が屋根面に接触しないため、老朽化した屋根の状態を正確に点検できるだけでなく、点検中の屋根材破損や事故等も発生せず、物件に対し客観的な評価を行うことが可能です。


3.お施主様への報告

お施主様への説明や報告は、修繕等の受注を獲得できるかどうかの分かれ目となる重要な業務です。より確実な工事受注を目指すためには、撮影した画像のわかりやすさはもちろん、お施主様が説明にどれだけ納得してくれるかが重要です。

従来の屋根点検業務では、デジタルカメラで撮影した写真を説明に使うのが一般的でしたが、デジタルカメラのディスプレイは画面が小さく、修繕箇所がわかりにくく、お施主様からも見づらい、という課題があります。
そのため、撮影画像を一度会社に持ち帰り、パソコンに取り込んでからExcel等で編集し、お施主様にデータを送付するか、説明のために再訪問する、等の業務が発生していました。点検から報告までに時間がかかり、お施主様の熱量が冷めてしまうため、受注しづらくなる等、改善すべき点が多くあります。

ドローンを用いた屋根点検は、撮影中からお施主様と一緒に屋根の状態をリアルタイムで確認できるため、ひとつひとつの修繕箇所に対して説明を行い、納得いただきながら点検を進めることができます。また、多くのドローンはスマートフォンやタブレットに撮影画像が保存されるため、大型のタブレットを使って撮影をおこなうことで、よりわかりやすく説明できます。
ドローン屋根点検を行うことで、報告にかかる工数を大幅に削減することができ、お施主様を待たせることもなくなるため、受注率の向上も期待できます。

ドローン屋根点検に必要な機能/要件

これまで、ドローン屋根点検のメリットと、ドローンによって変化する業務について説明しました。
このような業務の変化は、ドローンの機体を買ってくるだけでは実現しません。ドローンのメリットを最大限に享受し、よりよく屋根点検に活用するためには、いくつかの要件があります。本章では、求められる要件を具体的に解説します。


要件①:知識や技術の習得が簡単であること

ドローン点検をはじめる場合には、機体や操縦について運用の前提となる知識や技術の習得が必要です。こういった知識や技術を習得するために、一般的にはドローンスクール等に通うという方法がありますが、受講料や通う時間など、多大な工数を割くことになってしまい、「効率化したい」というメリットを享受するために却って時間がかかってしまう可能性があります。
したがって、ドローン屋根点検のメリットを充分に引き出すためには、必要な知識や技術をなるべく効率的に習得できることが要件と言えます。


要件②:操縦方法が安全であること

ドローンを活用することで、屋根からの墜落や滑落等の事故を防止できます。しかし、ただドローンの機体を購入して飛行させるだけでは、「ドローンの墜落や接触」といった新たなリスクを生むことになります。ドローンには衝突防止用に各種のセンサーが組み込まれていますが、ドローンを手動で操縦することは難しく、ちょっとした手元の狂い等が元になり、事故を発生させてしまうリスクがあります。
開けた場所でただ飛ばすだけなら危険性は低くなりますが、狭い住宅街で、点検業務を行いながらドローンを操縦するのは難しいため、安全な操縦方法が確保されていることが必要です。


要件③:お施主様に説明がしやすいこと

簡単かつ安全にドローンを飛ばせるだけでは、ドローン屋根点検のメリットを充分に引き出せているとは言えません。お施主様への報告がしやすく、修繕の受注率を高めることができる状態になってはじめて、ドローン屋根点検のメリットが最大化できていると言えます。
点検報告の説得力をより高めるために、画像へ書き込みをおこなったり、修繕箇所を明確にお施主様に示すことができるなど、報告の補助となる機能を活用することができれば、お施主様の納得感も高まり、受注率をより高めることも出来るでしょう。

ドローン屋根点検をはじめるためには

前章では、ドローン屋根点検のメリットを最大化するために必要な要件や機能について説明しました。本章ではここまでお伝えしてきたことのまとめとして、前章の要件を満たすために、どのような機体やアプリが適しているのかを、実例を交えて説明します。


1.操作や点検の習得を簡単にするために

前述の通り、手動でのドローン操縦は難易度が高く、習得に多くの時間を要します。より効率的に知識や技術を習得し、簡単にドローン屋根点検を実現するには、手動の操縦ではない技術を活用すべきでしょう。
例えば、ドローンメーカー大手であるDJI社がリリースしている飛行アプリ「DJI GS Pro」には自動飛行ルートの設定機能が実装されています。これにより、森林や大規模工場等の広い範囲に対しGPSと地図情報を活用してドローンの飛行を自動化することが可能です。ただし、戸建て物件や狭小地等、繊細な移動や細かい箇所の撮影を行う際には制御が難しい、といった課題もあります。
当社のドローンアプリ「DroneRoofer」では、飛行中にタブレットの画面をタップすることにより任意の位置や高度にドローンを移動させられる「タップ操縦」の技術を活用しており、手動の操縦を用いずとも、狭小地や住宅等の小さい面積を飛行させる際、柔軟な飛行を支援することが可能です。


2.ドローン飛行の安全性を確保するために

ドローン屋根点検の安全性を確保するためには、ドローンに搭載されている衝突防止用のセンサーをフル活用し、操縦者が常にドローンの状態を把握できる状態にある必要があります。各種のセンサーが搭載されているドローンを選び、操縦アプリでは常にセンサーの状態を確認できるものを選ぶべきです。
DJI社の空撮用ドローン「Mavic 2」シリーズには、障害物までの距離をはかるためのビジョンセンサーをはじめ、多くのセンサーが搭載されています。安全にドローンを活用するために、まずはこういったドローンを選ぶと良いでしょう。

出典:DJI JAPAN 株式会社

飛行アプリでも、DJI社の「DJI Go4」では飛行中に強い風を受けた際に警告が表示されたり、各種のセンサー情報を手元のタブレットで確認することができるようになっています。
「DroneRoofer」は、各種のセンサーが搭載された「Mavic2」シリーズの機体と、風や電波の状況、障害物との距離等をセンサーから操縦機に送信する機能が搭載されたアプリをセットで販売しているため、ハードウェアとソフトウェアの両面から、飛行中の安全を確保することが可能です。

ドローン撮影写真

3.説明の説得力を向上させるために

お施主様と一緒に画面を見ながらドローンを飛行させていると、屋根を一望している際に、お施主様から「この部分をもう少し詳しく見てみたい」といった要望を受けるなど、柔軟な対応が求められます。また、点検後の説明により説得力を持たせるためにも、画像を使った説明が簡単であると良いでしょう。
DJI社の飛行アプリ「DJI GS Pro」では事前に設定したルートで自動飛行してしまうので、任意の箇所で停止したり、随時の飛行経路変更が難しく、柔軟な飛行のためには「DJI Go4」等の別アプリで手動操縦を行うしかありません。また、写真はタブレットの画像フォルダに保存されるため、画像を使った説明をお施主様に行う際には複数のアプリを行き来する必要があります。

「DroneRoofer」では、タブレットの画面をタップしない限りその場で空中停止し、移動の最中でも任意の停止、他の部分への飛行経路変更が簡単なため、お施主様の納得感を高めることができます。また、「DroneRoofer」には撮影した写真への書き込み機能や、写真を使った報告書を作成する機能もアプリ内に搭載されているため、点検後の説明をより効果的に行うことも可能です。
ドローンを使った屋根点検で最大限にメリットを享受するためには、飛行や説明にかかる工数を削減し、安全かつ簡単に操縦・点検できる機体やアプリケーションを選ぶことが重要です。

当社の「DroneRoofer」は、ドローン屋根点検をおこなうための機体や機能をすべてパッケージした、オールインワンのドローンサービスです。
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