2023年9月26日

建設業を救う『DX』とは? 人材確保や安全面の問題をDXで解決しよう

最近では、建設業界においてもDXという言葉をよく耳にするようになりました。すでに大手建設企業では、DX推進に積極的に取り組んでいるため、DXについての知識を深めたいと感じている企業担当者も少なくないでしょう。本記事では、DXの概要から建設業におけるDXの具体例、大手企業のDX事例まで詳しく解説します。

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建設業における「DX」とは

近年、労働者不足の解消や安全面への配慮を目的として、DXを推進する建設企業が増えてきました。建設業はDXによってどのように変化するのでしょうか。まずは、DXの概要を把握するとともに解決できる課題など、具体例を紹介します。

そもそもDXとは?

DXとは「デジタルトランスフォーメーション」の略で、IT技術の浸透によって人間の生活をより良く変容させていくことと定義されています。これは、海外で学術的に提唱された概念が徐々に経済界に取り入れられ、企業の新しい課題として提起されたものです。
日本は世界的に見てデジタル後進国といわれていますが、その分、DXが実現したときの伸びしろが大きいという見方もできます。DXの目的には、生産性の向上や時間短縮、コスト削減などが挙げられますが、ツールやシステムを導入しただけでは実現できません。
世界的にデジタル化が進む中では、社会の環境に合わせた柔軟な対応とニーズが求められます。
そして、それを基にビジネスモデルや仕組み、サービス・製品を変化させていくという流れがDXなのです。

建設業におけるDXの具体例

バックオフィス業務と違い、建設業の場合はDXで具体的に何ができるのか、想像しにくいかもしれません。建設業にはどのようなDXが可能なのか、効率化に有用な4つの技術について解説します。

●5G
これまでのスマートフォンの通信規格である4Gと比べ、より高速な通信を可能にするのが「5G」です。この技術により、スマートフォンをはじめとしたデバイスと通信機器とのやり取りは、格段にスピードアップします。大容量かつ高速なデジタル情報の送受信が可能になるため、世界に向けてほとんど誤差なく映像を配信できるなどのメリットがあります。
建設業界での活用事例として挙げられるのが、5Gを利用した建設機械の遠隔操作です。これまでの4Gではタイムラグが発生するため、離れた場所から映像で現場の状況を確認して操作するのは困難でした。しかし、5Gはほとんどタイムラグがないため、建設機械や運搬用車両の遠隔操作を可能にします。スムーズなデータのやり取りで作業の促進に貢献します。

●AI
急速に開発が進められている「AI」は、人間の知能・知性を人工的に再現する技術です。これまでのプログラム通りにしか動かないロボットとは違い、データを基に学習することで行動の精度が向上します。反復作業や判別作業など、人の力で行っていた業務をAIに任せれば、作業効率がアップするだけでなくミスの防止にも役立ちます。
建設業では、木材の切り出し作業などをAIに学習させて機械に反映させ、自動化することで人材不足を補えます。たとえば、これまで新人に任せていた部材の切り出し作業をAIに任せれば、短時間で精度の高い部材が量産できるのです。技術の属人化が懸念され、技術承継が問題となっている建設業界では、熟練工の技術を再現する手段としても注目が高まっています。

●ドローン
近年急速に普及している「ドローン」は、無線操縦が可能な小型の無人機です。ドローンは用途によってタイプが異なり、その性能もさまざまです。この頃では性能が向上し、プログラミングによる自動操縦やAIを搭載した精度の高い自動飛行が可能な機体もあります。
ドローンは、建設業に欠かせない高所作業の危険を回避するのに有用です。たとえば、職人がハシゴや足場を使って目視していた高所点検にドローンを用いるなど、アイデア次第で多彩な活用法を見つけられるでしょう。撮影した高解像度の画像や動画データは、顧客とのスムーズな合意形成や誤解の防止にも役立ちます。

●BIM/CIM
国土交通省の推進する「BIM/CIM」は、建設における一連のプロセス効率化を目指すものです。BIMが「ビルディング・インフォメーション・モデリング」、CIMが「コンストラクション・インフォメーション・モデリング」の略称です。3次元モデルを工程ごとのデータと連携させることにより、コストから設計、施工から維持管理までの工程を一元で管理します。
パソコンでプロジェクトの全てが管理できるため、不要な打ち合わせの削減など、あらゆる効率化に有用です。設計者による情報の誤入力や発注者からの追加要求があると、根幹部分を変更しなくてはならないという注意点はあるものの、時間と労力を相当に削減できます。ソフトウェアによっては、入力された顧客情報に基づいて自動的に商談や営業も行う機能もあります。

建設業界でDXを取り入れる意義

建設業界でDXを取り入れる意義はどこにあるのでしょうか。ここからは具体的な課題を挙げながら、DXでどのように解消されるのか具体的に説明します。

人手不足の解消

新規就労が少なく高齢化が進んでいる建設業界では、人材不足を解消するための早急な対策が求められています。また、熟練工と新人の技術差を埋めるには、時間と教育が不可欠です。技術を習得するまでには相応の時間と訓練が必要なため、その間に離職してしまう可能性もあるでしょう。これらの問題は、DXで省人化を実現することで改善が見込めます。
人手不足の解消には、これまでの建設業のイメージを払拭する必要もあります。体力的に厳しい作業や高所での危険な作業をDXにより減らせれば、若年層の労働者を獲得しやすくなると同時に、離職の防止にもつながるはずです。また、デジタル分野やドローンの操縦のプロなど、建設業以外の技術者を採用する機会ができるため、人材の多様化を促進できます。

技術継承問題の解決

建設業では「この職人さんにしかできない」という特別な技術や、経験と知識の豊富なベテランでないと任せられないような仕事があり、新たに就労した人が十分に活躍できないこともあります。就労して間もなく離職してしまったり、作業中の怪我や事故でリタイヤしてしまったりと、現場での仕事は何が起こるか予測がつきません。
ベテランが多岐にわたる業務をこなしている状況や、作業の属人化を打破したいといった課題にもDXは効果的です。技術をそっくりそのまま後継するには、それなりの時間と労力を要します。また、どれだけ時間と労力を投じても承継できない技術もあるでしょう。技術承継の問題は人材確保と同様に難しい課題です。
しかし、データを収集・分析して熟練した技術を担保すれば、標準化によりスムーズな技術継承が実現します。また、機械に分析させることで、現在では失われてしまったような技術が再現できる可能性もあるのです。建設業界の発展のみならず技術の再興にも貢献するのがDXの魅力です。

CIM導入による生産性の向上

CIMとは、建設に関する情報を3次元モデルでシミュレーションし、それに付随する情報を一元管理して効率化を目指す手法をいいます。地質や地形、発注者の要望、設計者の指定など建設に関連する情報を補足していくことにより、効率化や安全性の向上を図ります。これまでの図面を用いた方法から、パソコンを使った3次元モデルでの提示に変更すれば、共通のイメージを持ちながら打ち合わせが進められるため、認識のすり合わせに必要な時間も大幅に短縮できるはずです。
建設に関わる情報を一元管理し、可視化して把握しやすい状況をつくり上げ、営業や商談の内容、発注者の要望など、合意形成の確認や共有も円滑に実行できます。また、CIMを活用した場合、3次元モデルの見える化によってトラブルを防ぐ対策を講じることも可能です。安全性の維持と作業の円滑化により生産性の向上を実現するのがCIM導入のメリットです。

DX推進をしている建設業の事例

ここでは、実際にDXを推奨している企業の成功事例を取り上げ、それぞれが抱えていた課題や導入したシステムの活用法、得られた成果について解説します。

大成建設株式会社

DXを重要な経営課題のひとつとして位置付けている大成建設株式会社では、デジタル化を推進して建設施工の効果的な課題に取り組んでいます。これまで建築現場では、高層階や地下階といったインターネットの届かない環境でどうDXを推進させていくかが大きな課題でした。そこで、通信に優れたメッシュWi-Fiを採用してIoTを一体化させ「T-BasisX」というDX基盤を構築したのです。
その結果、データの分析による生産性の向上、無線環境整備による省力化、コスト削減までも実現させました。2019年8月には「AI・IoTビジネス推進部」を設立して事業化を進めています。また、トンネル工事に携わる従業員の安全を管理するためのデータ収集に、ソフトバンクの5G技術を活用しています。

鹿島建設株式会社

経済産業省の『DX銘柄2020』に選定された鹿島建設株式会社では「作業の半分はロボットと」「管理の半分は遠隔で」「全てのプロセスをデジタルに」という3つのコンセプトを掲げました。これまでに取り組んだDXは多岐にわたり、DXが困難だといわれてきた建設作業でロボットの導入を成功させています。
また、建設現場を遠隔からモニタリングしてドローンが建物内を自動巡回する仕組みを開発し、現場の安全性を担保しています。DXを積極的に取り入れ、管理業務を見直すことで実現した省人化は、人手不足に大きな課題を抱える建設業にとって大きな成果のひとつといえるでしょう。

DXの手段の1つであるドローンを建設業で用いるメリット

DXの中でも比較的すぐに取り組みやすいのがドローンです。自社での基盤開発やネットワークの構築が難しかったとしても、DXを諦める必要はありません。ここでは、ドローンを活用した具体的な事例を3つ紹介します。

屋根点検

従来は職人が屋根に登り、目視・触診により点検していましたが、作業にはさまざまな危険を伴います。屋根を実際に歩いて点検を行うとなれば、劣化した屋根が破損する恐れなどがあるでしょう。また、それなりに経験を積まないと屋根に登る技術が習得できないというのもひとつのネックでした。とくに、難易度が高いとされているのが屋根際などの細かな部分です。
屋根点検にドローンを活用するメリットとして、第一に安全性の確保が挙げられます。職人が屋根から転落するリスクを回避できるだけでなく、点検時間を大幅に減らすこともできるのです。リアルタイムで画像を見ながら顧客に説明することで、説得力の向上にもつながります。点検業務のスキルを標準化して誰でも対応できる業務にすれば、人材不足や属人化の課題解決が実現します。

建物診断

チェックするポイントは多岐にわたりますが、ドローンが活用できるのは屋根・雨樋・外壁・外構です。ドローンを活用する最大のメリットは、屋根の全景を撮影できることです。解像度が高いドローンの画像を基に修繕箇所の説明を行うと、顧客に理解してもらいやすく、診断に要する工数も削減できます。また、これまでより詳細な部分まで診断が可能になると同時に目新しさもあるため、広告などでアピールすれば集客も見込めるでしょう。
たとえば、無料のドローン診断や工事が受注できた場合は診断料をキャッシュバックするなど、集客や収益を見込む方法は幅広くあります。上記でも触れたように、建物診断において解像度の高い画像は説得力に直結します。建設業で活用するドローンとして向いているのは空撮用として販売されているものです。安全性の高さと効率化を実現し、労働環境をより良くするツールのひとつとして、今後もドローンを活用する企業は増えていくでしょう。

高所撮影

高所からの撮影は、これまでのラジコンだと安定性が低く操縦者の技術も要求されるため困難でした。ドローンは撮影の画角制限が少なく、撮影の微調整も上下左右と容易なため、任意の場所まで近づいて撮影できます。高所の外壁点検を実施する際の足場やゴンドラなども必要ないため、作業にかかる時間を大幅に削減して効率化に貢献します。
比較的簡単に操縦できるとはいえ、ドローンの操縦にはある程度の技術や知識が必要です。多くのドローンには自動操縦機能が搭載されているため、短時間で操縦技術を取得できます。衝突防止機能により危険を回避するため、安全に業務を遂行できます。

まとめ

人手不足が叫ばれる建設業界においてDXは不可欠です。もし後れを取ってしまえば、デジタル社会に淘汰されてしまう恐れもあるため、喫緊の対応が求められます。
DXによる業務効率化の実現に向けて、ドローンの導入を考えているのなら、簡単にタブレットで操作できる「DroneRoofer」がおすすめです。

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