2023年9月29日

ドローンの事故件数と事例、主な原因とは? 国への事故報告が義務化

近年注目を集めるドローンですが、ドローンによる事故で損害を与える可能性があります。そこで本記事では、ドローンの導入を検討している方に向けて実際に起きた事故の件数と事例、主な事故原因、予防方法について解説します。

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ドローン事故は年間数十件発生している

衝撃的なドローン事故といえば、中国鄭州市のショッピングモールで行われたドローンのショーで、10機のドローンがまるで雨でも降るように次々と落下した墜落事故があります。

国土交通省のデータによると、ドローンの活用は年々増加傾向にあり、日本でもドローンの飛行によってさまざまな事故が引き起こされています。2019年度では、ドローンの飛行許可承認申請件数は48,369件にのぼり、83件の事故が報告されました。
また、同省は「無人航空機による事故等の情報提供」を求めてきましたが、2021年の航空法改正でこの情報提供は義務化されています。
参照:https://www.mlit.go.jp/koku/koku_tk10_ua_houkoku.html

主なドローン飛行の用途

「令和元年交通安全白書」にあるドローンを飛ばす目的として、空撮がもっとも多く、次に測量、インフラの点検や保守、事故や災害への対応、報道取材、農薬散布のような農林水産業における活用といった目的が続きます。
参照元:航空交通安全施策の現況

2018年度に出されたドローンの飛行申請で許可承認されたものに着目すると、建設業に関わる測量、インフラの点検や保守の分野が全体の24%を占めています。高性能カメラやセンサーを搭載したドローンをうまく活用することにより、人間が直接撮影するのが困難な場所でもデータ収集が可能になります。建設業界でドローンが活躍する場面は、これからも増えていくでしょう。

ドローン事故の原因と事例

ドローンは、建設現場や保守点検の現場でよく使われるようになりました。しかし事故につながる原因としてなにがあるでしょうか。以下に過去に起きた事例を紹介します。

操縦者のスキル不足

ドローン事故を引き起こす原因のトップは、なんと言ってもドローンの操縦に関わる人間のスキル不足です。ドローンに不慣れな初心者が、飛行訓練中に操縦ミスをするケースはよくあります。また、操縦をしながらほかのことに気を取られて注意が散漫になり、操縦をあやまるといった事例も多数あります。
さらに、ドローンそのものの操作スキルというよりも、事前に飛行計画を立てる能力が不足していたために起きる事故も多発しています。これは、飛行予定場所の事前確認がきちんとできておらず、高度設定にミスがあります。電線のような障害物にドローンが接触してしまったという事故があり、非常に多くの事例が報告されているのです。

機体のメンテナンス不足

ドローンのよくある事故原因には、飛行予定の機体に対して行うメンテナンスの不足があります。具体的には、機体の整備と点検を怠ったために、飛行中に機体にトラブルが発生して制御不能に陥り墜落するという事例が報告されています。中でもメンテナンス不足による事故で特に目立つのが、バッテリー切れによる墜落事故です。
建物の点検に使用するドローンをメンテナンス不足が原因で墜落させたりすれば、機体だけではなく、クライアントからの信用も失ってしまいます。日ごろから機体をしっかり整備し、バッテリーの充電状態を必ず確認してから、ドローンを飛行させましょう。

急な天候の変化

野外で点検作業をしていると、急に雲行きが怪しくなってゲリラ豪雨や突風などに見舞われることがあります。このような天候の急変もドローン事故の主な原因の一つとなっています。特に防水機能がついていない機体の場合には、水濡れや結露で故障するので、雨はもちろん、雲や霧の中のような水分の多い環境で飛行させると墜落事故を招きます。
なお、天候の変化による事故で報告例が多いのは風によるものです。機体が風にあおられて障害物や人に接触する、向かい風で予定よりもバッテリーを激しく消費して墜落したといった事例があります。また、強い風に機体が流されて飛行姿勢が保てなくなることで墜落するといったケースもよくみられます。

電波障害

ドローンは電波による通信を利用して機体を制御します。山や電波塔など障害物のせいで電波の送受信ができなくなれば、機体が制御不能になります。電波障害はドローン事故を引き起こす主な原因の一つに数えられます。
実際に起きた事故の事例としては、強風時に機体が運ばれたその先で電波切れを起こしてしまい制御できずに行方不明になったというもの、空撮飛行中に周囲の山が電波を遮って通信不能になり山中で機体を紛失したというもの、外壁調査中に電波の混信が発生して制御不能に陥り壁にぶつかって墜落したというものなどが報告されています。

ドローン事故の責任

ドローンで建物の点検保守を行う場合、事故を起こしたときに問われる責任についても普段から意識しておく必要があります。ドローン事故を起こしたことで誰かに損害を与えて、誰かが死傷してしまうと、民事上の責任と刑事上の責任を問われることがあります。

民事上の責任

ドローン事故で考えておくべき民事上の責任は、損害賠償責任です。ここでの損害賠償責任とは、ドローンによって第三者へ損害が発生した際は、「ドローンを飛ばした側が、損害を被った側に対して金銭的に賠償する責任を負う」ことを意味しています。ドローンを飛ばした側とは、事故を起こしたドローンの操縦者やその操縦者を雇った企業に当たります。では、どのようなケースで損害賠償責任が発生する恐れが出てくるのでしょうか。

まず、ドローンの操縦者について、事故を起こして第三者に損害を与えた場合、民法でいうところの不法行為責任を問われます。これにより、被害者に損害賠償をしなければならなくなる可能性があります。
操縦者が不法行為責任を問われるのは、次の3条件がすべてそろった場合です。
・第1の条件は、操縦者が事故を起こしたせいで他人の権利や利益が違法に侵害されること。
・第2の条件は、操縦者がわざと事故を起こしたか、操縦者の過失、すなわちうっかりミスで事故が起きたこと。
・第3の条件は、操縦者が事故を起こしたことによって損害が発生したことです。つまり、たとえドローンで事故を起こしたとしても、怪我を負わせて、物を破壊するといった損害を他者に与えなければ責任を問われません。

また、「操縦者の過失」として判定されることが多いのは、操縦者のスキル不足による事故、メンテナンス不足やバッテリー切れによる事故、風や電波障害で制御不能に陥る事故です。

次に、操縦者を雇っている企業についてです。操縦者の起こした事故で第三者に損害を与えてしまうと、使用者責任が発生する恐れがあります。使用者責任では、従業員としての操縦者が企業の業務を行うために起こした事故が該当します。
ドローンで誰かに損害を与えた場合に、操縦者を使用して利益を上げている雇い主がその損害に対して賠償する責任を負います。そのため、基本的には雇った操縦者が業務中に人や物を傷つけてしまうと、雇い主にも損害賠償責任が発生します。

ただし、「操縦者の選任・監督に関して、雇い主に過失がないこと」が立証されるか、「操縦者の選任・監督について、雇い主が相当の注意を払ったにもかかわらず、予期できない不可避の事態で損害が生じたこと」が立証されれば、その限りではありません。
例えば、雇い主がドローンの操縦能力や適性を適切に審査した上で操縦者を雇い入れ、ドローンを使用した業務を遂行する上で必要な教育訓練や管理などを適切に行っていたことが立証できれば、免責される可能性は高くなります。また、「操縦者が突然通り魔に襲われ、ドローンが制御不能となり墜落した結果、通行人に怪我をさせた」といった避けようのない事故であったことが立証できる場合も、免責の可能性は高くなるでしょう。

刑事上の責任

ドローン事故を起こして誰かに損害を与えた場合には、民事上の責任とは別に、刑事上の責任に問われるというリスクがつきまといます。刑事上の責任で問題となるポイントは、起こした事故が法律と照らし合わせて犯罪に当てはまる場合には、刑罰が科せられるということです。

ここで刑罰が科せられる事故というのは、原則として「わざと起こした事故」です。例えば、ドローンの操縦者がわざと事故を起こして人に怪我をさせた場合には傷害罪に問われて、15年以下の懲役または50万円以下の罰金といった刑罰を科せられる可能性があります。また、操縦者がわざと起こした事故で建物を損壊すると、5年以下の懲役が科せられる建造物損壊罪、建物以外の物を損壊すると3年以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられる器物損壊罪に問われる可能性まであります。
ただし、法律には特別な規定が設けられることがあり、故意ではなく過失であっても犯罪が成立する場合があります。つまり、ドローンの操縦者が業務中に不注意で第三者に怪我をさせた場合には、5年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される業務上過失傷害罪に問われる恐れもあります。さらに被害者が死亡してしまった場合には、7年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される業務上過失致死罪に問われる可能性があります。

ドローンの事故報告が義務化

ドローンの活用が広がるとともに多発するドローン関連の事故や事件を防止するため、2015年には飛行の制限、2019年には飲酒時の操縦禁止といった航空法の改正が適宜行われてきました。そして、2021年6月11日の航空法改正では、事故原因を調査し明らかにすることで、事故の再発防止につなげようと、ドローン事故の報告を操縦者に義務付ける制度が追加されました。
つまり、ドローンを飛ばしたせいで、人が死傷したり、第三者の物件が傷ついたり、飛行中にドローンがなくなったり、ドローンが航空機と衝突したり、航空機に接近したりした場合には、国土交通省・地方航空局・空港事務所へ報告書を必ず提出しなければなりません。「報告を怠った・虚偽の報告をした」という場合には、30万円以下の罰金を科されるようになったので、注意が必要です。

ドローンの事故を防ぐポイント

ドローン事故を起こさないよう、未然に事故を防ぐことが一番大切です。そこで、ドローン事故を予防するための対策として大事なポイントについて紹介します。

1つ目は、ドローンを飛ばす上で、基本となる知識や技術を習得することです。ドローンの機体はどのような仕組みで飛ぶのか、法律で飛行禁止に設定されているのはどのような場所か、航空法など最新のドローンの規制はどうなっているのかなどを学ぶとともに、操縦訓練を行って事故の回避方法を含む基本的な操縦スキルを磨きましょう。操縦に必須の基本的な知識と技術をしっかりと身につけることが大事です。
2つ目は、飛行予定場所を事前に調査して、障害物や飛行禁止場所がないかをよく確認し、安全な飛行計画を立てることです。
3つ目として、機体を十分に整備し、飛行前には必ずプロペラやモーターの異常、機体の損傷、バッテリーの充電状況などを点検しましょう。事故の原因となる異常を発見した場合には飛行を中止することです。
4つ目として、ドローンの事故は強風や濃霧などの悪天候が原因で起きるので、飛行の前には天気予報を確認しましょう。空模様を見ながら、急な天候の変化が予想される場合には飛行を中止することです。
5つ目は、操縦者単独でドローンを飛行させると、機体を見失うなどのアクシデントが発生したときに対応が難しいので、助手と一緒に飛行させることです。
以上の5つのポイントを押さえておけば、確実に事故のリスクを減らすことができるでしょう。

DroneRooferなら高度なスキルがなくても安全、簡単に操縦できる

ドローンを安全に飛行させるために、一般的には操縦者に対して事故を回避する高い操縦能力が求められます。しかし、高度なスキルや熟練の経験がなくても、ドローンを安全かつ簡単に操縦できる方法があります。それは屋根の外装点検をドローンで安全に遂行するために開発されたDroneRooferというパッケージサービスを活用する方法です。
このサービスは、誰でも簡単な操作でドローンを操縦できるようにするためのiPadアプリであるDroneRooferを利用します。これはドローンの安全な飛行を実現させるもので、iPad本体、ドローンの機体、専門スタッフによるサポート、飛行許可申請の代行、ドローン保険など、安全な飛行に欠かせないものすべてがそろっています。そのため、DroneRooferはこれから業務にドローンを導入しようと検討されている方、特に屋根外壁点検にドローンを導入したいと考えている建設業の方におすすめです。

まとめ

建築業の調査業務におけるドローンの導入は、画像を顧客に示せるので説明がしやすく、信頼の向上につながります。しかし事故で損害を与えると信頼問題にかかわります。DroneRooferは誰でも安全かつ簡単にドローンを操縦でき、手軽にドローンを導入できるサービスです。ドローン導入を検討している方はぜひご確認ください。

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