2025年12月4日

信頼されるリフォーム会社とは?|不安を安心に変える営業方法

リフォーム業界では、悪質な業者によるトラブルが社会問題化しており、誠実な会社も疑われるため、「信頼」の獲得が今、最も重要です。

詐欺業者と勘違いされずお施主様の信頼を得るには、不安を解消するための工夫が欠かせません。

この記事では、詐欺の手口やお施主様が不信感を抱くポイントを解説し、信頼されるための具体的な営業手法や対策(無料・有料ツールの活用事例を含む)をご紹介します。
リフォーム営業において「信頼をどう築くか」に課題を感じている方のヒントになれば幸いです。

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お施主様の心理―強まる警戒と不安

ここでは、リフォーム詐欺の実態と、それによって生じるお施主様の不安や心理的影響について詳しく解説します。

依然として目立つ悪質業者とのトラブル

住まいを快適に保つうえでリフォーム工事は欠かせませんが、その需要につけ込む悪質な業者とのトラブルは依然として目立ちます。

特に、高齢者や一人暮らし世帯が狙われやすく「屋根が崩れている」「このままでは大事故につながる」といった言葉で不安を煽られ、冷静に判断できないまま契約してしまうケースが少なくないのです。

その影響は業界全体に及び、誠実に事業を営む会社であっても「この業者を本当に信頼してよいのか」と疑いの目を向けられてしまう状況です。

お施主様の心理―強まる警戒と不安

悪質業者による被害が報道されるたびに、お施主様の警戒心はより一層強まります。たとえば、「無料点検」「モニター価格」「火災保険で負担ゼロ」といった提案に対して、「本当なのか、それとも詐欺なのか」という不信感を抱く方は少なくありません。

リフォームは高額契約が前提となるため、一度「だまされるかもしれない」という不安が芽生えると、業者選びそのものに慎重にならざるを得なくなります。つまり、お施主様は「リフォームをしたい」という期待と同時に「信じても大丈夫だろうか」という疑念を常に抱えているのです。

信頼構築が営業の最大課題

こうした背景を踏まえると、リフォーム会社にとって最も重要なのは、「詐欺業者とは全く違う」という姿勢を明確に示すことです。工事の必要性を丁寧に説明すること、見積もりをわかりやすく提示すること、そして誠実な対応を積み重ねること ——これらの取り組みなしで、お施主様の不安を払拭することはできません。

お施主様の心理を正しく理解し、安心を与える工夫を徹底することが、信頼を獲得し、受注率を向上させることに繋がります。

お施主様が不信感を抱きやすい5つのポイント

リフォーム業界では、誠実に取り組む会社であっても、お施主様に「この会社、本当に大丈夫かな?」と不安に思われてしまうことがあります。その背景には、過去の詐欺的な手法が広く知られ、悪質な事例と誤解されやすい営業スタイルや言動があるからです。

ここでは、お施主様が不信感を抱きやすい代表的な5つのポイントを取り上げ、注意すべき点を解説します。

①訪問販売による「無料点検」

よくあるのが、突然の訪問で「無料点検します」と声をかけられるケースです。訪問販売そのものに問題があるわけではありませんが、悪質な事例の多さから、「訪問販売=怪しいのではないか」と警戒されがちであることを認識しておきましょう。

②恐怖心を煽り、契約を急がせる

「このままでは柱が腐って家が傾く」「放置すると危険」など、過度に不安を煽り即決を迫るやり方も少なくありません。信頼を重視する会社は「十分に比較検討できる情報提供」「冷静に判断できる提案プロセス」を意識することが信頼を獲得するうえで重要です。

③「モニター価格」「キャンペーン価格」で格安を装う

「モニター協力を条件に半額」「今日契約すれば特別価格」といった誘い文句で契約を迫るケースです。値引き自体が悪いことでは無いのですが、こうした慣習的な“値引きありきの提案”は、お施主様が不信に思う原因に繋がる可能性があるということを認識しておくことが重要です。透明性のある価格提示や、根拠を示した見積もりが信頼獲得に重要となります。

④火災保険や介護保険の悪用

保険の活用は正しく活用すればお施主様にとってもメリットが大きいものです。ただし「火災保険を使えば無料でリフォームできる」と、保険が適用されない工事まで対象であるかのように説明するケースがあります。信頼を重視する会社は、制度の正しい適用範囲を明示し、誤解のない説明を徹底することが求められます。

⑤契約後の追加請求・手抜き工事

工事開始後に「ここも修繕しないと危険」と次々と追加工事を持ちかけ、最終的に高額請求につなげるといったケースが後を絶ちません。「契約前に範囲を明確化」「追加の必要性を丁寧に説明」といったプロセスを徹底する必要があります。

お施主様に信頼される対応・営業手法とは?

リフォーム業界では、お施主様が「この会社なら安心して任せられる」と感じるかどうかが、受注の成否を大きく左右します。単に安さやスピードを強調するだけではなく、誠実な姿勢や分かりやすい説明を積み重ねることで、他社との差別化ができます。

ここでは、詐欺的な業者と一線を画し、信頼を獲得するための具体的な営業手法をご紹介します。

誠実な見積書作成

見積書は、最もお施主様の印象を左右するポイントです。

・合計金額だけでなく、詳細を記載
使用する建材の種類やグレード、施工内容、数量などを出来る限り細かく記載することが求められます。
・「一式」記載の回避
例えば、「内装工事一式」ではなく「クロス張替え(㎡単位〇〇円)」「下地処理費」等明確に分けることで、見積書に透明性が生まれます。

・根拠の説明
なぜこの金額になるのかを補足で説明できると、お施主様は「根拠がある」と納得しやすくなり、価格勝負だけに陥ることを防げます。

現調の写真提示

現場調査は見積の精度を高めるだけではなく、お施主様に安心感を与える大事なプロセスです。

・ビジュアルで現状を共有
調査で撮影した写真を使って説明すれば、専門用語に不慣れなお施主様にも理解しやすくなります。
・信頼感の醸成
「床下の木材に一部腐食が見られます」といった現状を写真で見せることで、「この会社はきちんと現場を確認してくれている」という信頼につながります。

期間や価格の根拠を示す

工事の工期や見積金額は、お施主様が最も疑問を抱きやすい部分です。

・プロセスとコストの関係を明確に
「塗装工事は下地処理・乾燥の工程があるため最低〇日必要です」「この建材は耐久性が高く保証もついているため、他の選択肢よりも高額ですが長期的に見るとコスト削減になります」と具体的に示します。

・納得感の提供
単に数字を提示するのではなく、その背景を共有することで、お施主様は「きちんと考えられた見積だ」と感じられるのです。

アフター保証を前面に出す

工事が終わったあとも安心してもらうためには、アフターフォローや保証制度を積極的に打ち出すことが不可欠です。

・責任感の印象付け
「万が一、工事後〇週間以内に不具合が出た場合は無償対応します」「定期点検を行い、施工後も状態を確認していきます」といった対応を説明すると、会社としての責任感を強く印象付けられます。

・文書での提供
保証書やアフターフォローの案内を文書で渡すことで、長期的な信頼関係を築く上で非常に有効です。

実例から学ぶ:詐欺被害と信頼回復の分岐点

リフォーム業界では、同じ「点検」や「見積り」から始まっても、業者の対応や説明の仕方によって、お客様の信頼度は大きく変わります。ここでは、不信感を生む事例と、信頼構築によって成功した事例をご紹介します。

被害事例:不安を煽り高額契約へ誘導されたケース

ある高齢夫婦の自宅を訪問した業者は、「屋根が崩れかけています。すぐに修理しないと大きな損害が出ます」と不安を煽り、無料点検の後に高額な契約を迫りました。説明は不十分で、費用の根拠や工事内容も曖昧なまま数百万円の契約を締結。しかし、施工が進んだ後に別の業者に点検を依頼したところ、「工事の必要はほとんどなかった」ことが判明しました。

克服事例:透明性の高い点検で信頼を勝ち取ったケース

別のリフォーム会社では、屋根点検にドローンを導入することで、作業員が屋根に登ることなく、安全かつ迅速な点検を実現しました。

さらに、ドローンで撮影した高解像度の映像を用いたリアルタイムな説明により、お客さまに対して透明性と説得力のある提案が可能に。これにより「信頼できる会社」という印象を与え、結果として受注率の大幅な向上につながりました。

参考:調査時間を半減し、受注率は最大で2倍に。現地調査の見える化で、信頼の獲得につながった

 無料で始められる詐欺対策

こうした不安を払拭するには、日常の営業や契約対応の中で「安心できる根拠」を積み重ねていくことが欠かせません。ここでは、コストをかけずにすぐに取り入れられる対策をご紹介します。

契約前の確認事項リストの活用

「工事内容の範囲」「使用材料」「支払い条件」「工期」などをまとめた確認事項リストを用意し、チェック形式でお施主様に一つひとつ説明していく方法は、非常に有効です。自然と信頼感が高まるだけでなく、新人営業でも同じ品質で説明ができるようになります。

複数見積の利用を推奨

「他社と見積もりを比べて検討してください」とあえて伝えることは、お施主様にとっては誠実さの表れです。自社の見積や提案に自信があることの証明となり、価格だけではなく「総合的な安心感」で差別化できます。

契約書・書面交付の徹底

契約内容を口頭だけで済ませず、契約書や重要事項説明書を必ず交付し、さらに「こちらが控えですので大切に保管してください」と手渡す一手間を加えることで、「誠実な対応」へと変わります。

クーリングオフ制度の説明義務遵守

制度の内容を隠さず、積極的に「安心材料」として提示することが、信頼獲得につながります。「ご不安でしたらクーリングオフ制度もありますので安心してください」と一言添えるだけでも、お施主様は「この会社は正直だ」と感じやすくなります。

営業担当者の身分確認

名刺だけでなく「社員証や会社案内を提示する」ことを徹底すれば、信頼感はさらに増します。名刺や会社案内に建設業許可番号や資格保有者の情報を明記しておけば、「無許可業者ではないか」という不安を解消できます。

有料で導入できる営業支援・信用構築ツールとサービス紹介

無料での工夫だけでも一定の効果は得られますが、より「信頼できる会社」とお施主様に安心感を与えるためには、有料のツールやサービスを活用するのも効果的です。

ドローンによる屋根・外壁の撮影

普段目にできない高所部分を安全かつ鮮明に撮影し、口頭だけの説明よりも説得力が大幅に増します。また、「自社は最新機材を導入している」というイメージで他社との差別化にもつながります。

写真付きの現場報告書や見積書

「工事前」「施工中」「施工後」の比較をビジュアルで示せば、工事の正確さや誠実さをお施主様に実感してもらえます。クラウド型の報告書作成サービスを活用すれば、社内全体の信頼性を向上させることにもつながります。

補助金申請支援サービス

複雑な補助金申請までサポートすることで、お客様に大きな安心材料を提供できます。申請漏れを防ぎつつ効率的に手続きを進められるため、営業の差別化ポイントとしても非常に有効です。

加入保証制度や第三者評価の取得

工事保証制度や第三者機関による評価・認証を受けることで、「この会社は外部機関が認めた会社」という事実に安心を覚え、初めての取引でも選ばれやすくなります。

信頼できる比較サイトや紹介サービスへの登録

信頼性の高い比較サイトや認定事業者制度に登録しておくことは、「この会社は公式に登録されている会社」という事実で安心感を与え、選ばれる確率を高めます。

被害防止保険の導入

工事中や契約時のリスクに備える保険に加入しておくことも、信頼を獲得するには効果的です。「万が一、問題が起きても保険で対応できる」という体制を示すことで、お施主様に安心感を与えられます。

まとめ|信頼と受注を獲得するためのステップ

リフォーム業界においては、詐欺の手口の存在が業界全体の信頼を揺るがしています。そのなかで受注を獲得していくためには、「詐欺ではない」という立場を示すだけでなく、積極的に安心を提供する姿勢が欠かせません。

まずは自社の営業や契約の流れを振り返り、どこに不透明さが残っているかを把握することが大切です。そして、実際に報告されている詐欺の手口を知り、それとは正反対の対応を徹底することで「安心できる業者」という印象を与えられます。

また、見積書や契約書の改善、説明の仕方の工夫といった基本的な取り組みに加え、写真・動画の活用や保証制度の導入など、技術やツールを用いた透明性の強化も効果的です。

こうした一連の取り組みを積み重ねることで、「信頼される企業」としてのポジションを確立でき、結果的に受注率の向上や長期的な顧客との関係構築につながります。詐欺対策は単なる防御策ではなく、営業力を高める手段ともいえるでしょう。

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