2023年9月26日

ドローンを活用し屋根点検を安全に実施 料金や資格の必要性

従来の屋根点検では、住宅の周りに足場を組み、屋根に登って点検するのが主流でした。しかし最近では、職人が屋根に上がらずとも点検できる「ドローンによる屋根点検」が注目されています。
そこで今回は、リフォーム会社や建設会社に向けて、ドローンによる屋根点検のメリットやデメリット、料金、資格の必要性などを解説します。ぜひ参考にしてみてください。

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ドローンによる屋根点検とは

屋根を点検する際、従来では足場を組んで屋根に登り、点検するのが一般的でした。しかし最近では、ドローンを利用して空中から屋根の状態を確認する事業者も増えています。
ドローンは、「空撮用ドローン」「トイドローン」「産業用ドローン」の3種類に大別できます。このうち、屋根点検に使用する機体は「空撮用ドローン」です。

空撮用ドローンには、高画質(1,200万~2,000万画素程度)のカメラが搭載されています。また、ドローンに搭載されたカメラは、さまざまな方角へ自由に動かせます。
ドローンによる屋根点検では、この空撮用ドローンを住宅近くから飛ばし、上空から屋根の状態を確認します。高画質なカメラを搭載しているため、屋根材や天窓のひび割れといった細かい確認も可能です。

また、赤外線カメラを搭載したドローンを使うと、屋根の蓄熱状態まで確認できます。赤外線サーモグラフィーによって、遮熱塗料が劣化している箇所も見わけられるでしょう。

ドローンによる屋根点検が注目される背景

現在、ドローンによる屋根点検が注目される背景には、従来の屋根に登る点検方法にあるさまざまな課題が関係しています。

まず、職人の高所作業によるリスクです。塗装業では、毎年高所からの転倒・転落による事故が発生しています。会社の過失による職人の死亡や負傷で、会社に対して多額の損害賠償が請求されるケースも考えられます。

ほかにも従来の点検方法では、依頼主のお客様に屋根点検の状態をリアルタイムでお伝えできないことも問題でした。お客様に説明しやすいように、デジタルカメラで撮影した画像を印刷したり、説明を書き込んだりする手間がかかっていました。
一方、ドローンを使用した屋根点検では、飛行中にお客様とタブレット端末などを使い、リアルタイムで映像を共有できます。そのため「端の瓦を確認してほしい」といったような要望にも、すぐに対応が可能です。
このように、従来よりも職人の安全確保やお客様の信頼獲得がしやすい方法として、ドローンによる屋根点検が注目されています。

ドローンによる屋根点検のメリット

ここからはドローンによる屋根点検のメリットについて紹介します。「進捗状況の共有」や「調査費用が安くなりやすい」など、ドローンによる点検には、従来の方法にはないさまざまなメリットがあります。

お客様と進捗状況を共有できる

先述のとおり、ドローンによる屋根点検は、お客様とリアルタイムで進捗状況を確認できるメリットがあります。

従来の点検方法では、デジタルカメラで撮影した画像をお客様に見せるのが一般的でした。しかし、デジタルカメラは画面が小さいため、屋根材の細かなひび割れまで伝えるのは困難です。画像を印刷するにしても、デジタルカメラを一度会社に持ち帰り、パソコンで取り込むといった手間がかかります。

一方で、ドローンによる屋根点検では、タブレットのような端末を使って撮影画像をリアルタイムで映し出せます。屋根点検に使われる空撮用ドローンは高画質のカメラを搭載しているので、屋根材の細かなひび割れまで細かく確認できるでしょう。

お客様は、屋根点検の際に「大事な住宅に何かしらの欠陥があるかもしれない」「情報を共有しないのは悪徳業者だからかも」という不安を感じてしまうこともあるでしょう。そのため、従来よりも早く屋根の状況を伝えることでお客様の不安を解消できるのは、ドローンによる屋根点検ならではのメリットです。

調査費用が安くなりやすい

ドローンを使った屋根点検には、調査費用が安くなりやすいというメリットがあります。従来の屋根点検の場合、調査費用はおおむね12,000円+交通費程度が相場です(職人2人の場合)。

一方でドローンの場合、お客様は無料~10,000円程度で建物を調査できます(業者によっては、建物調査のみ無料で実施しているところもあります)。
また業者側も、ドローンパイロットに外注せず自社でドローンによる屋根点検をする場合、1,500円+交通費(時給2~3,000円程度の職人1名×30分)程度の低コストで実施できます。低コストで屋根を点検できるため、ドローンを使った建物調査は十分に収益化できる可能性を秘めているのです。

点検時間が短縮できる

ドローンによる屋根点検は、作業時間を短縮できるというメリットもあります。
従来の屋根点検の場合、おおむね50分~1時間程度の点検時間が必要でした。点検に時間がかかるのは、足場を組んだり、職人の安全確保でロープを巻きつけたりするなどの準備時間が必要だからです。

一方でドローンの場合、これらの準備作業が不要になるので、約15~20分程度で点検が完了します。つまり、ドローンを使うことで、従来よりも約30~45分程度時間を短縮できるのです。

点検時間を短縮できるということは、お客様との予定を合わせやすくなります。短時間で完了するドローンの屋根点検は、お客様にとっても負担が少なくなるでしょう。また、業者側にとっても作業時間の短縮は、工事の受注数を増すチャンスにもつながります。

屋根材を割る心配がない

ドローンを使えば屋根まで職人が登る必要はないので、屋根材を割る心配がなくなります。業者が破損を補償する必要もなく、お客様も安心して調査を依頼できるでしょう。

もちろん職人はプロですので、点検で屋根に登った場合でも、割りそうな屋根を予知してなるべく踏まないように作業します。しかし、特に劣化の進んだ瓦の場合などは、意図せずに踏んでしまうケースもあるかもしれません。ドローンを使用した屋根点検なら、そのような不安がなくなるでしょう。

高所作業のリスク低減

ドローンによる点検では、作業者が高所作業をする必要がないので、転倒・転落のリスクがなくなるという利点があります。

日本では、毎年200人を超える方が、高所作業中に墜落や転落によって命を落としています。例えば、屋根の塗装作業で、空の塗料缶を補充するために屋根からベランダへ降りようとし、腰に巻いたロープを解いたときに、足を滑らせ地上に転落するといった事故が発生しています。

従来の屋根点検時でも、業務の性質上高所作業にはリスクがつきまといます。そこで、屋根点検にドローンを使えば、足場を組んで屋根まで登る必要がなく、転倒・転落の事故も発生しません。このように労働災害を防止できるのも、ドローンを使用した場合ならではの魅力です。

集客や売上アップが見込める

ドローンでの屋根点検は、集客・売上を伸ばす可能性も秘めています。
空撮用ドローンには高画質のカメラが搭載されており、低コストながら詳細、正確な点検が可能です。こういった高精度な画像や情報共有はお客様からの信頼アップにも繋がり、他社と差別化することで集客効果も発揮するでしょう。
実際に、ドローンを使用した建物点検の提供を開始し、お客様との商談が早く決まるようになった、利益につながったという声もあります。

ドローンによる屋根点検のデメリット

ドローンによる屋根点検にはさまざまなメリットがある一方、デメリットも存在します。以下では、ドローンを使用するデメリットを紹介します。メリットとデメリットを見比べて、実際にドローンを導入するか検討しましょう。

点検ついでに応急処置をすることができない

ドローンを使った点検では、飛行中に屋根の状態を確認するだけにとどまるので、その場で応急処置できません。従来の屋根に登って点検する方法なら、屋根材の小さなひび割れを見つけ次第、その場でコーキング材を使って補修することも可能でした。

しかし、ドローンには手がついていないので、応急処置や補修はできず、後からの対応となります。このようにドローンには、お客様の要望に柔軟に対応できない側面もある点に注意しましょう。即時対応を目指す場合は考えられる処置に対する準備も万全にしてから点検を行うのがおすすめです。

操縦に慣れるまでに時間がかかる

ドローンは操縦が難しいものもあり、操縦者が慣れるまでにどうしても時間がかかってしまいます。
ドローンは通常、地上から機体を操作することになります。操縦者が下から見ている景色と、ドローンのカメラに映る映像の違いによって、どうしても前後・上下・左右の感覚に狂いが出てしまうのです。

遠近感の違いに慣れるには、練習を積むしかありません。まずは、許可が不要な場所や許可を受けた施設で、ドローンの発着陸や8の字飛行などの練習をしてみましょう。また、ドローンを選ぶ際は、操作性に優れたタイプのものを選ぶのがおすすめです。

法律などによる飛行の規制がある

ドローン飛行でネックになるのは、法律などによる規制です。法律を無視した場合、罰金や懲役が科される可能性もあります。

ドローンの飛行は、「航空法」や「小型無人機等飛行禁止法」などによる規制を受けています。法律では、たとえば次のようなドローン飛行が禁止されています(申請すれば飛行可能なケースもあります)。

(1)夜間飛行
(2)目視外飛行
(3)空港や国会議事堂周辺での飛行
(4)人口集中地区での飛行

ドローン飛行にかかわる法規制を理解するには、知識が必要です。そこで操縦者は、ドローンスクールに通うのもおすすめです。たとえば、JUIDA(国土交通省の要件を満たした管理団体)に属するドローンスクールなどに通うとよいでしょう。

近隣トラブルの原因となることがある

ドローンを導入した屋根点検が増えてきているとはいえ、まだまだ社会では認知されていないのが現実です。そのため、ドローンの飛行は近隣の方々を惑わせ、トラブルに発展する可能性もあります。

周辺住民の方が「家の外から聞いたことがない音がするので、窓からのぞいたらドローンが飛行していた」というケースに遭遇すると、当然驚いたり不安を感じたりするでしょう。また、ドローンの操縦音を不快に感じる方もいるので、そこからクレームに発展するケースもあります。

そこで、できる限りお客様に協力をお願いし、事前に屋根点検の実施を近隣の方に説明してもらうのが望ましいでしょう。近隣トラブルの多くは「事前に何をするかしっかり伝える」ことで防げます。

ドローンでの屋根点検に資格は必要?

ドローンによる屋根点検には、現状資格は必要ありません。ただ、先述のとおり法による規制があります。空港周辺や150m以上の上空で飛行する場合は、少なくとも飛行開始予定日の10日前までに、地方航空局または空港事務所に申請しましょう。

このほかにも、道路使用許可や条例に触れる場合は、その申請も必要になります。このような法規制による手続きの手間は、ドローンのデメリットといえるでしょう。

屋根点検に最適なドローンを選ぶポイント

屋根点検に最適なドローンを選ぶには、「機体の飛行安定性」と「高品質の撮影性能」の2つを重視しましょう。

まず「機体の飛行安定性」については、ドローンは操縦が難しい分、安定性が肝になります。安定性が優れたドローンであれば、操縦者の思ったような方向に飛行してくれるので、近隣の人や建物への墜落のような事故を未然に防げます。

また「高品質の撮影性能」は、従来のように職人が屋根材を間近で見られない分、高性能なカメラが求められます。カメラが高性能であればあるほど小さなひび割れにも気づきやすく、またお客様にもタブレットで状態を共有しやすくなります。

ドローンでの屋根点検におすすめ! 「DroneRoofer」とは

ドローンの屋根点検で、ぜひおすすめしたいのが「DroneRoofer(ドローンルーファー)」です。ここからは、DroneRooferの魅力について紹介します。

DroneRooferとは

DroneRooferは、ドローンで屋根点検を実施するために必要な機体やタブレット端末、飛行許可申請など、一通りのサポートが揃ったパッケージサービスです。ドローンの選定から導入後の活用コンサルまで、ワンパッケージで提供しているため、ドローンによる屋根点検のノウハウがない業者の方でも安心して任せられます。

DroneRooferの操縦は簡単

DroneRooferの操縦は簡単です。「タップ操縦」の技術を取り入れているため、誰でも簡単かつ安全にドローンを飛行させられます。

操縦者はタブレット端末の画面をタップするだけで、気になる箇所をズームで確認できます。直感的に操作できるため、ドローンの技術を習得するための練習期間も必要なく、簡単に扱えます。

DroneRooferは法的なサポートも万全

DroneRooferは法的なサポートも充実しています。飛行許可申請の代行をはじめ、メールマガジンやLINEを通した各種の法規制の最新情報などもお届けしています。最新の法律を自分で逐一調べる手間を省くことができ、安心してドローンを利用できるでしょう。

DroneRooferは近隣トラブルにも対応

DroneRooferは、近隣や周囲の理解を得るための対策についてもサポートを行っています。具体的には、納品レクチャーの際に近隣トラブルの具体例や対処方法などを案内し、注意喚起などを行っています。事前に知識を身につけられるので、実際に業務を行う際もお客様に対して適切な対応が可能となり、近隣トラブルを防ぐのに役立つでしょう。

屋根点検におけるDroneRooferの活用事例

DroneRooferは、多くのリフォーム会社・建設会社が利用しているサービスです。実際に導入している会社の活用事例を、以下のページから確認できます。導入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

DroneRoofer導入事例:ドローンで屋根を当たり前に点検する時代がやってきた

ドローンによる屋根点検は、従来の屋根に登る点検方法とは違って、リアルタイムでお客様に状態を共有できたり、高所からの転倒リスクを軽減できたりといったメリットがあります。
ドローンを使って屋根点検をしたいという方は、機体の手配や飛行許可申請をパッケージで提供する「DroneRoofer」がおすすめです。屋根点検業務時のドローン使用を考えている方は、ぜひ「DroneRoofer」を検討されてみてはいかがでしょうか。

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