近年、さまざまな産業でのドローン活用が広まってきています。ドローンの活躍が期待されている産業は動画などの空撮や農業、土木建築等がありますが、中でもドローンを使った点検サービスやアプリの産業には特に期待が寄せられています。
この記事では、急速な広がりを見せるドローン産業と、ドローンを使った点検業務についてご紹介し、具体的にどの程度のクオリティで写真撮影ができ、どんな方法でドローン点検を行えるのかをご説明します。
貴社の状況に合う適切な、 DroneRooferの活用方法がわかります。
- ・外装点検を誰でも、安全に実施したい
- ・積算や見積など提案準備を効率化したい
- ・リフォーム提案で他社と差別化したい
目次
急速に広まりつつあるドローンでの屋根外装点検
ドローンとひとくちに言っても、いわゆる複数のプロペラで空を飛ぶ「マルチコプター型ドローン」や陸上を自律走行する「ローバー型」、また「水中ドローン」など様々な種類があります。この章では、近年特にさまざまな分野で急速に普及が広がりつつある「マルチコプター型ドローン」の産業全体の概況を説明し、中でも今後の成長が期待される、屋根・外装点検におけるドローン活用の可能性について説明します。
1.ドローン市場規模の広がり
日本国内のドローン産業は2019年度で約1450億円にのぼり、これは2018年度の約931億円から比べると50%の市場成長がされているということになります。2017年の市場規模は約503億円であったため、ドローン産業は毎年50%以上の成長をしていること、また今後も成長を続けることが予想されています。
2.屋根・外壁市場におけるドローン活用の現況
急激に成長を続けるドローン市場において、近年特に成長を期待されている業界が、屋根や外壁の点検でのドローン活用です。従来、屋根点検は屋根にはしごや足場をかけて、実際に人が屋根に登って目視点検を行うのが一般的でしたが、近年はこの点検をドローンで行うことが多くなってきており、業界だけでなく、一般の施主様からの関心も高くなっています。
業界の課題を解決し、また修繕や提案の有効なツールとして、今後もさらなるドローン点検の普及が見込まれます。
なぜドローンが普及しているのか?
なぜ、屋根外壁点検でドローンがここまで普及しているのでしょうか?その理由は、業界が古くから抱える慣習と、そこから発生する課題にあります。ドローンの活用は、実は屋根外装の点検と相性が良いのです。
この章では、屋根外装点検の業界が抱えてきた課題と、その課題をドローンがどのように解決できるのか、ドローンを活用することで生まれるプラスアルファのメリットは何なのかを、詳しく解決します。
1.普及の背景にあるもの
・業界の高齢化
屋根外壁の点検に限らず、建築業における担い手の高齢化課題は近年、より深刻なものになっています。例えばリフォーム事業では、30代、40代といった中堅層の労働人口が年々下がっており、それに比して60代以上の労働人口が大幅に増えています。旧来の「きつい・危険・汚い」といった業界のイメージからか新規の若年層採用が難しく、それに伴ってベテラン層の技術継承先がないため、高齢の技術者がなかなか引退できない等の課題が発生しています。
参照元:生活関連産業や新技術等を巡る状況について
・転落事故の頻発
業界の高齢化に伴う課題として、屋根等の高所からの転落、墜落といった労災事例が後を絶ちません。建築業界における転落事故の発生は毎年5,000件以上報告されており、死亡事故の発生原因のおよそ5割が転落、墜落によるもの等、高所点検が危険な作業であることは疑いないでしょう。
2019年2月1日に労働安全衛生法施行令(安衛法)と労働安全衛生規則(安衛則)の一部が改正され、高さ6.75メートル以上の高所においてはフルハーネスでの安全策が義務化されましたが、これも相次ぐ転落事故の労災適用を受けてのことです。
・悪徳業者による虚偽報告
近年、特に課題とされているのが、悪徳業者による虚偽報告です、こういった悪徳業者は、傷んだ屋根に作業者が上り、意図して傷みを大きくしてしまったり、お施主様に対し不要な工事まで提案してしまう等を行い、自社の利益を不当に増やそうとすることがあります。こういったことも、「作業者が屋根に登っている間、お施主様は作業者が何をしているのかを見ることができない」という課題から発生している課題と言えます。
2.ドローン点検によって解決できる課題
・安全性の確保
ドローン点検の場合、そもそも屋根に人が上る必要がありません。点検写真の撮影は地上からドローンを操縦しておこなうため、高所からの転落や墜落といった事故の発生原因を排除できます。業界全体の高齢化によって屋根からの転落リスクがさらに高まりつつある今、高所に上らなくても良い点検手段によって安全性が確保され、市場から評価されているのです。
・点検の効率化
点検作業の進め方においても、ドローンを用いた手法は従来の点検手法から大きく変わりました。点検のために、はしごを架けたり、足場を組んだりする必要性がなくなったため、作業コストが大幅に削減できる、という効果があります。また、点検時間についても従来の手法では戸建住宅一件あたりに1時間程度かかっていた作業が、ドローンの点検では15〜20分程度で完了する、という利点もあります。ドローン点検によって、人的コストだけでなく時間コストも大幅に削減が可能になります。
・お施主様からの信頼性の獲得
さらに、ドローンでの点検によって、屋根補修工事等の成約率が向上する、といったことも見込めます。従来の手法が抱える課題のひとつに「作業者が何をしているのかわからない」というリスクがありましたが、ドローンの場合は屋根に上らず、屋根に触れることがないため、点検時の破損や虚偽の報告を防止できる利点があります。こういった非接触型の点検手法はお施主様にご安心いただけるだけでなく、提案時の説得力の向上にも役立ちます。
この章では、ドローン点検によって従来の高所点検手法のさまざまな課題が解決できることを解説しました。ドローンが単純な「従来の点検手法の代替手段」だけでなく、さらなるメリットを生む点検手法であることをおわかりいただけたと思います。
次章では、そんなドローンの点検でどこまで屋根の修繕箇所がわかるのか、具体的にドローンでの撮影写真も交えて解説します。
ドローン点検の実力
ここまで、ドローンで解決できる点検の諸課題について説明してきました。この章では、実際にドローンを使った点検を始めるにあたり、どのようにおこなうのか、また、ドローンでどの程度、屋根の修繕箇所等がわかるのかについて、説明します。
1.ドローンはどんなものを選ぶべきなのか?
現在、「マルチコプター型ドローン」は大きく3種類に分けられます。バッテリーを含めた総重量が200グラム以下の「トイドローン」、それ以上の大きさではあるものの、物の輸送等はできない「空撮用ドローン」、そして大型の、カメラを付け替えたり物資を輸送することが可能な「産業用ドローン」です。屋根等の高所点検には主に空撮用ドローンがもちいられ、これは10万円〜30万円程度で購入できます。
2.どの程度の画像のクオリティが期待できるのか?
ドローンの導入を検討されている方の疑問に、「ドローンでどれくらい良い画像が撮れるのか?」というものがあります。これまで実際に屋根に上り、目視で点検をされていた方からすると、ドローンのカメラで修繕箇所が本当に分かるのか、画像のクオリティはどの程度なのかは当然気になりますよね。
以下が実際にドローンで撮影した屋根の写真です。
真上からの写真や、雨樋を横から撮影したものなど、従来の点検手法では難しい角度の写真も、ドローンでなら屋根に上る危険を冒すことなく、撮影できます。
いかがでしょうか?ドローンを用いた撮影でも、目視点検と同様、詳細な傷まで判断できる画像が撮影できることをおわかりいただけたのではないでしょうか。
また、従来の点検方法では撮影できなかった箇所を容易に撮影できることも、ドローン点検の魅力と言えます。特に雨樋の撮影等は、屋根にのぼる手法ではかなりの危険をともなう作業ですが、ドローンを使うことで安全に撮影でき、お施主様の納得感を得られやすい箇所です。
ドローンの実力を引き出すためには
前章では、ドローン点検のクオリティ、撮影できる画像の質について説明しました。このような画像はどのように撮影しているのでしょうか?この章では、具体的なドローン点検の手法、よりよい写真を撮影するためのテクニックについて説明します。ドローンの操縦は難しく、なかなか狙ったとおりの高度や角度で写真を撮影することは難しいですが、簡単に操縦ができる仕組みについてもご紹介します。
1.ドローン撮影の難易度
ドローンの操縦は難易度が高く、初心者では操作を誤ってしまうこともしばしば。その理由は、スティック(操縦桿)での操作が直感と一致しないからです。
ドローンを操縦するためには上記のようにスティックを操作するのですが、この操作方法がそもそも複雑なことに加えて、ドローンは上空高くに飛び上がると「どちらが前なのかわからない」という課題が発生します。4つのプロペラがついているマルチコプターは遠くから見るとほぼ四角形に見えるため、方向感覚がつかみにくく、前方向の誤認してしまうと誤った方向にドローンが飛行してしまいます。
2.課題解決の方法:DroneRoofer
こういった課題はどのように解決すれば良いのでしょうか?解決方法のひとつとして、ドローンの操縦をスティックで行わない「自動操縦アプリ」を使う方法があります。中でも、弊社の提供するドローンアプリ「DroneRoofer」は、直感的な操作でドローンを操縦できるため事故率が低く、さらに点検に必要な諸機能までが全て揃っているアプリですので、安全かつ簡単な撮影だけでなく、撮影後のお施主様への説明までをワンストップで可能にします。
DroneRooferでの課題解決方法
前章まで、屋根や外壁の高所点検とドローンの相性が良いこと、ドローンで撮影した画像が点検に足るクオリティであることを解説してきました。しかし、ドローンを導入するには一定のハードルがあること、撮影したい画像を撮るには操縦のテクニックが必要であることも分かりました。
DroneRooferによって、ドローン点検はどのように変わるのでしょうか?この章では、従来のスティック操縦とDroneRooferの差や、撮影後の説明・提案にDroneRooferがどのように貢献できるのかを説明します。
1.ドローンの操縦について
DroneRooferは、ドローンの操縦にあたり「タップ操縦」という技術を採用しています。これはスティックの操縦ではなく、操縦機に取り付けたiPadの画面をタッチするだけでドローンが任意の方向や高度に自動で動いてくれる機能です。これにより、まるでカーナビのようにドローンを操縦できるため、一般的なドローン操縦方法に比べて誤操作や事故のリスクを低減することができます。詳細な部分を撮影する際も、細かく位置の調整が可能であるため、安全な所から、確実な方法で、撮影が可能です。
2.撮影後の点検(画像編集、積算)について
DroneRooferには、操縦をアシストする機能だけでなく、撮影後のお施主様への説明、修繕の提案に至るまで、業務上必要な機能を取り揃えています。
上記の画像は、DroneRooferに含まれる「画像編集」と「面積計算」の機能を使って作成したものです。画像編集はその名の通り、撮影した画像にメモやマーク等を残すことができる機能です。面積計算は屋根だけでなく外壁の面積も算出できるため、高所の外壁修繕や塗装の際、見積を作ることが容易になります。
これらの機能を使うことで、点検後のお客様への修繕箇所の説明・提案が容易になり、補修や塗装工事の成約率向上にも寄与します。
3.点検結果の報告について
DroneRooferには、撮影や説明用の機能だけでなく、撮影した写真や面積を計算した画像をまとめてお施主様に提出する報告書を作成する機能も同一のアプリ内に含まれています。この機能により、点検作業から報告までをワンストップで行うことができ、お施主様の納得感も高めることができます。
まとめ
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。屋根や外壁におけるドローン点検には今後の発展の可能性が大いにあり、安全性や点検効率だけでなくお施主様への説明等においてもメリットがある一方で、操縦技術など、良い写真を撮るためのハードルがあることもおわかりいただけたと思います。
弊社はそんなハードルを取り払い、高所点検にかかわる全ての方が安全に、簡単にドローンをお使いいただくことができるよう、DroneRooferを開発いたしました。この記事を通して、DroneRooferを使ってドローン点検を行うイメージが、少しでも高まっていれば幸いです。
DroneRooferは、点検と提案のツールとしてだけでなく、ドローンを扱う際の注意点や、ご不明点に関しても手厚くフォローをしております。詳しくは、以下のフォームから資料をご覧ください。