2025年12月18日

12条点検をドローンでコスト削減┃費用比較、法的根拠、屋根・外壁の修繕までを解説

 

12条点検はドローンを用いて実施することが可能で、その手法は国土交通省にも正式に認められています。

足場の設置が不要となるため、点検コストが数百万円単位で削減できるケースもあります。

本記事では、ドローン点検が注目される理由から、精度・法的根拠・報告書の形式まで、導入に役立つポイントをわかりやすく解説します。

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ドローンで12条点検は可能。大幅なコスト削減も期待できます。

建築基準法に基づく「12条点検」は、これまで足場を組んで実施するのが一般的でしたが、近年ではドローンを活用した新しい点検方法が広がりつつあります。

実際、国土交通省もドローンによる点検手法を正式に認めており、安全性と効率性の両立が図られています。

なかでも注目されているのが、足場が不要になることで、点検コストを大幅に抑えられる点です。ケースによっては、数百万円単位の削減につながることもあります。

とはいえ、

・ドローン点検の精度は十分なのか?
・法律的な裏付けはあるのか?
・報告書はどのように提出すればよいのか?

といった疑問をお持ちの方も多いでしょう。

ここからは、ドローン点検が注目される理由から、導入前に確認しておくべき法的根拠や精度、報告書の形式、そして実際の修繕への活用方法まで、わかりやすく解説していきます。

建築基準法第12条点検とは? なぜドローンが注目されるのか

12条点検とは|建物の安全を守る「管理者の義務」

建築基準法第12条に基づく点検(いわゆる12条点検)は、特定建築物の所有者や管理者に対して、建物の安全性や耐久性を保つための定期的な調査・報告を義務付けた制度です。外壁の「浮き」や「剥離」などの劣化を早期に発見・修繕することで、落下事故や雨漏りなどのトラブルを未然に防ぐことが、制度の主な目的です。

管理者は、専門資格を持つ調査員による点検を定期的に実施し、その結果を市区町村や都道府県などの特定行政庁へ報告する必要があります。報告を怠ると、場合によっては罰則の対象になることもあるため、確実な対応が求められます。

対象となる建物と、点検・報告の周期

12条点検の対象となる「特殊建築物」には、以下のような多くの人が利用する中高層の建物が含まれます。

・オフィスビル
・マンション
・商業施設
・病院・学校 など

点検と報告の周期は以下の通りです

・建築物全体の調査(外壁含む):通常3年ごと
・外壁の全面打診(タイル貼り・石貼りなど):10年ごと

特に、10年ごとの全面打診では、建物全体の外壁を対象に、より詳細な調査と報告が必要になります。

「3年ごとの目視調査」と「10年ごとの全面打診」

・3年ごとの調査では、地上やバルコニーなど手の届く範囲を対象に、目視や打診による点検を実施します。
・10年ごとの全面調査では、タイルやモルタルの「浮き」や「剥がれ」がないかを建物全体で確認する必要があります。

従来は、足場を組んで打診棒で外壁をすべて叩く方法が一般的でしたが、近年では赤外線カメラとドローンを使った点検手法が広まりつつあり、足場不要・非接触で効率的に調査できる手段として注目されています。

なぜ今、12条点検にドローン活用が必要なのか?

これまでの12条点検では、足場を組んで打診棒で外壁を調べる方法が主流でしたが、高額な足場費用、長い工期、作業時の安全リスクといった問題が常に付きまとっていました。近年では、築年数の経過した中高層ビルが増え、管理コストの見直しや、テナントの満足度維持がますます重要になっています。

そうした背景の中で、足場なし・非接触・短期間で実施できるドローン点検が、現実的な代替手段として注目を集めているのです。

従来の12条点検(足場・打診)が抱える3つの大きな課題

課題1:点検費用の大半を占める「足場仮設」の高額なコスト

外壁の全面点検を足場で行う場合、仮設足場の設置と撤去だけで数百万円単位の費用がかかることも珍しくありません。

実際の打診調査そのものよりも、足場代がコストの大部分を占めており、ビルオーナーからは「なぜこんなに費用が高いのか?」という指摘を受けるケースも多く、管理予算を圧迫する最大の要因となっています。

課題2:長期にわたる工期と、テナントへの心理的・営業的負担

足場の設置から撤去までは、1〜2ヶ月以上かかるケースもあり、その間、建物は養生シートで覆われ、騒音や作業員の出入りも続きます。

とくに飲食店や小売店舗などのテナントからは「営業に支障が出る」といった声が上がり、入居者からも「人目が気になる」「落ち着かない」といったクレームが出やすく、管理担当者が対応に追われる原因となります。

課題3:高所作業にともなう転落リスクと安全管理の重荷

足場を用いた高所作業では、常に転落や落下事故のリスクがつきまといます。

万が一の事故が発生すれば、管理者側としての責任や対応は重大で、安全管理にかかる精神的・人的な負担も非常に大きくなります。

【従来手法との比較】ドローンによる12条点検の5大メリット

メリット1:コスト削減

ドローン点検では、足場やゴンドラを設置せずに外壁全体を調査できるため、仮設費用がゼロになります。これにより、点検総額を劇的に抑えることが可能です。

メリット2:工期短縮によるテナント影響の最小化

ドローン調査は、事前準備・現地調査(フライト)まで最短1日で完了可能です。足場仮設や撤去の手間がないため、テナント様や入居者様への影響を最小限に抑えられます。

メリット3:安全性の向上

ドローンによる調査は、作業員が高所に上る必要がなく、地上からの操作で行います。これにより、作業員の転落事故や労災リスクをゼロにすることができ、管理者様の安全管理負担も大幅に軽減されます。

メリット4:高精度データによる客観的な劣化診断

赤外線サーモグラフィや高解像度カメラを用いることで、タイルの「浮き」やコンクリートの「ひびわれ」といった劣化状況を、客観的な熱画像・可視画像データとして記録できます。目視や打診では見落としがちな微細な異常も、画像解析で正確に把握できます。

メリット5:騒音やプライバシー問題の回避

ドローンは飛行音が静かであり、打診棒で壁を叩く「カンカン」という騒音が発生しません。また、作業員が窓のすぐ外を行き来することもないため、テナント様や入居者様のプライバシーに関するクレームを回避できます。

ドローン点検の「法的根拠」と「精度」の不安を解消

管理担当者様がドローン点検の導入を検討される際、最も大きな不安は「本当に法的に認められるのか?」「打診より精度が劣るのではないか?」という2点に集約されます。

Q1. ドローン点検は、12条点検の報告書として法的に認められる?

結論から申し上げますと、ドローンを活用した赤外線外壁調査は、建築基準法12条点検の報告書として正式に認められています。

国土交通省の指針:「全面打診」の代替としての「赤外線調査」
2022年(令和4年)の国土交通省告示改正により、「全面打診」に代わる調査方法として「赤外線装置(サーモグラフィ)による調査」が明確に規定されました。国土交通省は、一定の条件を満たす赤外線調査について、「打診と同等以上の精度が確認できる場合、全面打診の代替として認める」と明記しています。

法的に有効な報告書作成のポイントは「調査資格者」
ただし、単にドローンを飛ばして赤外線写真を撮ればよい、というわけではありません。法的に有効な報告書として行政(特定行政庁)に受理されるためには、その調査・報告書作成を「特定建築物調査員」や「一級建築士」といった国家資格を持つ専門家が監修・実施することが必須条件となります。
業者選定の際は、「ドローンを操縦できる」こと以上に、「建築基準法を熟知した調査資格者が在籍しているか」を必ず確認する必要があります。

Q2. 「打診(音)」と「ドローン(赤外線)」、どちらが正確?

精度に関しても、赤外線調査は打診調査と同等、あるいはそれ以上の正確性を持つケースがあります。

検知のしくみの違い
・打診:壁を叩いた際の「音の違い(反響音)」で、作業員の聴覚を頼りに「浮き」を判断します。
・赤外線:日射で温められた外壁の表面温度の差を検知します。「浮き」がある部分は熱がこもりやすく、表面温度が高くなり、その温度差を赤外線カメラが視覚化することで、異常の位置や範囲を特定します。

赤外線調査のメリットと限界
赤外線調査は、人の感覚に頼らず、温度データという客観的な根拠に基づいて異常を検出できるのが特徴です。特に、広い範囲を短時間で調査できる点で優れています。ただし、日射が弱い日や北面などでは、温度差が出にくく検出精度が下がるといった制約もあります。そのため、高解像度の可視光カメラで0.1mm単位のひび割れや欠損を撮影し、赤外線画像と組み合わせて分析することで、より正確な診断が可能になります。

 診断レベルに引き上げる「解析力」
重要なのは、撮影データを「誰がどう読むか」です。単にドローンを飛ばすだけではなく、建築やリフォームの知識を持つプロが解析を行うことで、「その異常がすぐ修繕すべきものか、それとも様子見でよいか」といった実務的な判断(診断)が可能になります。

Q3. オーナー(理事会)を説得できる「報告書サンプル」とは?

ドローン調査によって得られたデータは、管理担当者の説明責任を果たすうえで非常に有効です。

写真と図面を連動させた、ひと目でわかる報告書
従来の打診調査では、劣化箇所を「打診図」に手書きでマーキングする程度でした。一方、ドローン調査では、実際の写真や赤外線画像を使って「どこに」「どんな劣化があるか」を具体的に示すことができます。

さらに、これらの画像を建物の立面図と連動(マッピング)させて提示することで、ビルオーナーや理事会の皆様にも、劣化の位置や状態を直感的に理解してもらうことが可能になります。

修繕の優先順位と費用感を明示する
「どこが悪いか」だけでなく、「いつ修繕すべきか」「いくらかかるのか」まで明記することが、信頼される報告書の条件です。

信頼できる報告書では、劣化箇所に対して以下のような分類を行います。

・A:早急に修繕が必要
・B:次回の修繕計画に組み込む
・C:現時点では経過観察で問題なし

加えて、それぞれの判断根拠と、概算の修繕費用まで記載されていれば、オーナーや理事会も判断しやすくなり、迅速な意思決定を後押しする強力な資料となります。

ドローン点検を導入する前に知っておきたい注意点と限界

ドローン点検には多くのメリットがありますが、導入を検討する際には、あらかじめ把握しておくべき注意点(=リスク)も存在します。こうした点を理解し、必要な対策を講じている業者を選ぶことが、スムーズな運用とトラブル回避につながります。

注意点1:天候や気候に左右されやすい

ドローンは精密機器であるため、飛行には天候の影響を大きく受けます。一般的に「風速5m/s以上」や「雨天」では飛行できません。地上では穏やかでも、高層階では突風が吹くこともあり、飛行中止になることもあります。

また、赤外線調査は「日射によって壁が温められること」が前提となるため、曇天や北向きの壁では温度差が出づらく、正確な診断が難しくなる場合があります。こうした理由から、調査日には予備日を設けておくことが推奨されます。

注意点2:物理的な「打音検査」はできない

ドローンは非接触での点検を行うため、従来の「打診棒で叩いて音を確認する」検査とは原理が異なります。そのため、赤外線で検知できないほど微細な浮き(空隙0.2mm以下)は見逃される可能性があります。

この点を補うため、赤外線カメラと高解像度の可視光カメラを併用し、ひび割れや欠損を同時に撮影・解析する運用が一般的です。

注意点3:立地条件や法的規制による飛行制約

ドローンの飛行は、航空法や小型無人機等飛行禁止法などの法規制を受けます。例えば「人口密集地(DID)」や「空港周辺」では、国交省の許可が必要です。

また、建物の構造や周辺環境(電線、高圧線、隣接ビルとの間隔など)によって、安全な飛行が困難な場合もあります。こうした点も、事前の現地調査で確認しておくことが重要です。

ドローンを活用した12条点検の流れ (Step.1~Step.5)

ドローンを活用した12条点検は、一般的に以下の流れで進められます。

Step.1:お問い合わせ・ヒアリング

まず、建物の規模、築年数、図面(立面図・配置図)、過去の修繕履歴などを確認します。管理ご担当者様が懸念されている点(コスト、工期、テナント様への配慮など)をヒアリングします。

Step.2:現地調査と調査計画の策定

専門のスタッフが現地を訪問し、建物の立地、周辺の障害物(電線、樹木など)、人通りの状況を確認します。安全な飛行ルートや離着陸地点を確保した調査計画書と、詳細な見積書を作成します。

Step.3:飛行許可申請・関係各所への調整

調査計画に基づき、国土交通省への飛行許可申請(DIPS)を行います。必要に応じて、近隣の建物への事前告知や、警察署への道路使用許可申請なども行います。これらは通常、依頼先の業者が代行します。

Step.4:ドローンによる点検調査(赤外線・可視光)の実施

調査当日、安全対策(監視員の配置、コーンやロープでの区画整理)を徹底した上で、ドローンを飛行させます。赤外線カメラと高解像度の可視光カメラで、外壁全体を漏れなく撮影します。

Step.5:データ解析と報告書の作成・提出

撮影した数千枚に及ぶデータを、専門の調査資格者が解析します。劣化箇所(浮き、ひび割れ、欠損など)を特定し、写真と図面を連動させた詳細な報告書を作成します。この報告書をもって、特定行政庁への提出をサポートします。

まとめ:ドローン点検は、ビル管理の“新しい常識”に

建築基準法12条点検におけるドローンの活用は、もはや特別なものではなく、多くの管理現場で取り入れられ始めている手段になっています。ドローンは、従来の足場や打診による調査が抱えていた「高額なコスト」「長引く工期」「テナントからの苦情」「作業員の安全確保の負担」といった問題を解決できる可能性を持っています。

もちろん、「天候の影響」や「検知できる内容の限界」といった注意点もありますが、そうした特徴を正しく理解し、信頼できる専門業者と連携して活用すれば、メリットが大きい手法です。弊社では、どなたでも安全に簡単にドローンの活用ができる「DroneRoofer」を提供しております。ドローンの活用を検討の際は是非お気軽にお問い合わせください。

 

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