2021年4月16日

外壁の面積計算アプリにできること|積算から提案の効率化まで

外壁の塗装や修繕工事の際、見積算出に欠かせないのが外壁の面積計算です。正確な見積作成のためには正確な面積計算が必要ですが、正確な面積計算を行うには工数がかかったり、高所の開口部測定に危険が伴う一方で、とにかく早く面積を算出しようとすると正確性が失われるリスクがあるなど、課題が多い業務でもあります。

本記事では外壁の面積計算における課題を解決できる手法や、面積計算の周辺業務を効率化するための施策について、分かりやすく解説します。

外壁積算業務の課題とは

本章では、まず外壁の面積計算において解決すべき課題を明らかにするために、一般的な外壁面積計算の手法を具体的に解説し、その上で外壁の面積計算における課題とはどのようなものか、手法や手法の課題について説明します。

1.実測調査

外壁の面積をはかるにあたり、一般的なのが実際にメジャー等の器具を用いて実測する手法です。この手法は特別な機械を必要とせず、専門知識も不要であることから広く普及していますが、一方で面積計算を行うために全壁面の長さを測らなければならず測定に手間がかかったり、2階や3階など高所の開口部の考慮をおこなうには工数や危険が伴うため、最も良い手法であるとは言い切れません。

2.延床面積をもとにした推測

メジャーを使った実測に次いでよく用いられる手法が、1階部分の延床面積に任意の係数をかけ合わせて全体の外壁面積を推測する手法です。この手法は壁面の長さを全て測る必要がないため、実測での調査よりも工数削減できる点がメリットですが、個々の物件によって開口部の数や面積が異なることや、壁面そのものや開口部の実測を伴っていないため、積算結果が係数からの推測値となり正確性を担保できない点がデメリットです。

※画像出典:https://gaiheki-concierge.com/article/wall-area/

3.図面を基にした積算

最も正確な外壁の面積計算手法は、図面を基にした面積の算出です。例えば新築に携わった顧客で図面が残されている物件では、実測や推測を行うまでもなく正確な外壁の寸法がわかりますので、面積算出の速度や正確性の点で明らかに他の手法よりもメリットがあります。

ただし、リフォームや塗装案件の場合には新築時の業者への依頼とは限らず、図面が残されていないケースもあるため、全ての案件で活用できる手法ではない点がデメリットです。

課題解決のための施策とそのメリット・デメリット

前章では、一般的に用いられる外壁面積の計算手法とその課題を説明しました。本章では、一般的な外壁面積計算の課題に対する解決アプローチをいくつか紹介します。それぞれの手法にはメリットとデメリットがありますので、さまざまな企業における問題解決のヒントとなるよう、各手法の具体的な内容を解説します。

1.パソコンソフトを使う

まずツールとして考えられるのが、PC等のソフトを活用した面積計算です。多くの面積計算ソフトでは、デジタルカメラを用いて撮影した画像をパソコンのソフトに取り込み、平面の頂点をクリックするなどして加工をおこなった上で各部の面積を計算することができます。また、パソコンソフトでは面積計算したデータを用いて3DCADの作図ができるなど拡張機能も充実しているのが特徴のひとつです。

一方で、ソフト単体としての利便性は非常に高いものの、撮影したデータをパソコンに取り込むために一度社内に持ち帰る必要があり、3DCADの技術のない人にはやや扱いにくいなど導入ハードルがやや高い手法であるとも言えます。

※画像出典:https://www.ktrend.jp/product/maker_299/pi_9239/

2.iPhoneやタブレット等のアプリを使う

現在ではメジャーや計測器といった機械だけでなく、パソコンやタブレット等で動作するソフトウェア・アプリを活用した面積計算の手法も広まりつつあります。こうしたアプリの特性は、事前に撮影した写真をパソコンやタブレットに取り込み、アプリ内で画像に様々な加工を行うことで開口部等も考慮した形での面積計算を可能にする点です。

操作次第では非常に便利に高い正確性をもった面積計算を行うことができますが、アプリの操作や計測を習得するのに時間がかかるため、すぐに使い始めるには主に心理的なハードルが高いと言えるでしょう。

※弊社ドローンアプリDroneRooferでの屋根面積計算画面

3.外壁業者に依頼する

ややイレギュラーではありますが、面積計算自体を自社で行わず、他社の外壁業者に依頼する手法もあります。この手法では自社で計測や面積計算をしないため工数の削減は可能ですが、他社との予定調整が都度必要になり、他社の面積計算精度を自社で担保できないなどデメリットも多いため、あらゆる事業者様にお勧めできる手法ではありません。

4.面積計算用機材を使う

ソフトやアプリに頼らずにより効率的な面積計算を行うために、レーザー距離計測器のような機器を活用する手法もあります。

レーザー測定器を用いた場合には、壁面の横幅を測定でき、またピタゴラス機能(測定位置と壁面の間に直角三角形を作り、2辺の距離を求めることで残りの1辺の長さを計測する機能)が搭載されている計測器を使うことで、壁面の高さを計測することもできます。ただし、レーザー測定器は測定者の位置や機械の位置のズレによって細かい差分が出る可能性があり、上手く使えなければ却って面積計算の正確性に疑問の余地が出てしまうので、全てをレーザー測定器に頼って面積計算することはお勧めしません。

※画像出典:https://ecatalog.makita.co.jp/html/administrator/284/#140

ここまで、面積計算の非効率や不正確を解決する手法をご紹介しました。これらの手法で外壁の面積計算はある程度効率化できますが、面積計算だけが効率化できても、それは見積にかかわる業務全体の一部でしかありません。本質的に業務を効率化するためには、面積計算の業務だけでなく提案全体の効率化を図らなければなりません。

面積計算を含む、外壁工事提案全体の課題とは

前章で紹介したさまざまな手法は、外壁の面積計算の効率化には寄与するものの、提案全体の効率化をするためには不充分です。そのため本章では、外壁の面積計算を含む工事提案全体の業務を分解し、それぞれの業務段階でどのような課題があり、さらなる効率化を図るために何が必要なのかを解説します。

1.調査

面積計算の前段階にある物件の調査は、修繕箇所や外壁の状態を把握するために欠かせない業務です。見積提案にかかわる業務の中では、調査の段階が特に時間がかかる部分でもあります。この調査段階では物件の立地条件によって目視や撮影がしにくい箇所があり、また外壁の高所かつベランダ等から見えない部分に関しては目視が難しいため、1階部分の状態を元に高所の状態を推測するなどが発生します。

調査業務の段階では、効率を落とさずに通常では目視しにくい箇所も目視点検ができたり、高所の点検ができるようになれば、より効率化されたといえるでしょう。

2.見積算出

面積計算に続くステップとして、計算した外壁面積を元に、必要な部材や塗料の量を見積もる必要があります。相見積の場合等は特に見積の正確性が求められますが、延床面積に係数を掛け合わせた概算の場合、実際の工事や塗装面積から乖離が発生してしまう可能性があり、場合によっては部材が不足する等の事態が考えられます。

多くの場合、そのような事態を避けるため概算の見積を大きめに算出することになりますが、その場合にはお施主様に余分な出費を強いることになってしまい、相見積の場合等は特に不利な要素となります。

また、見積をおこなうツールは面積計算を行うツールとは別のものであることも多いため、「より正確な見積を」「単一のツールで作成する」ことができれば、より効率化されたと言えるでしょう。

3.お施主様への説明(提案)

面積計算とそれに伴う見積算出を行った上で、お施主様への説明や提案を行う段階が工事前の最後の工程です。ここまで、調査・面積計算・見積を全て異なるツールでおこなっている場合、お施主様への説明用資料を作成する必要がありますが、多くの場合はExcel等に各種の数値を貼付け、修繕や塗装箇所に関する文章の追記をおこなった上でお施主様に送付、あるいは持参して説明することになります。

このような場合、調査を行ってからお施主様への説明までには時間がかかります。調査から説明までの時間が長くなるほどに、一般的にはお施主様の工事に対する熱量が下がり、工事受注率に悪い影響を及ぼし得ます。より高い受注率を目指すためには、調査から説明までのリードタイム(所要時間)をいかに効率的に短縮するかが重要であると言えるでしょう。

見積・提案業務を全体的に効率化するために

ここまで、外壁の面積計算業務における課題とその解決策、また外壁の積算だけでなくその周辺を取り巻く業務全体の課題について触れてきました。本章では記事のまとめとして、前章で挙げた周辺業務の効率化をおこなうための施策をお伝えします。

1.調査

前章では、調査段階において効率性を確保した上で、いかに調査しにくい場所を調査することができるかが重要であると述べました。調査しにくい場所とは具体的には、外壁と屋根の境目(破風板、軒下)部分や、地上からの目視が難しい2階部分の窓枠上部といった部分です。こうした場所は地上からやベランダからでは調査がしにくいため、高所カメラやドローンといった手法を用いることでさらなる正確な調査が可能になると考えられます。

また効率性を確保する、あるいはさらに向上するためには、例えばカメラで撮影した外壁画像をパソコンに取り込む等ではなく、撮影した画像を使った加工や説明資料の作成等がひとつのツールやシステム内で完結するほうがより良いと言えます。

したがって、調査段階の業務をより効率化するためには、「調査しにくい箇所を調査することができ、撮影した画像をシームレスに説明資料に転用・加工できる手法」がより良いと言えます。

2.見積算出

見積段階では、お施主様の納得性を高めるためにいかに正確な積算結果を見積に反映できるか、また算出した面積をいかにシームレスに見積に連携できるかが重要であると記載しました。

前者の要件は面積計算の精度を向上させることが必要であるため、本記事の2章での面積計算における課題解決手法を参照ください。後者の要件については、面積計算ツールと見積作成ツールが同一のものであることが必要になります。また、見積の根拠となる面積の情報や見積情報等を一括管理できる仕組みであると尚良いでしょう。同様に2章で触れたピクトルーラー、DroneRooferといったツール群は、面積計算から見積作成までを全て同一プラットフォーム上で完結するツールであるため、見積算出を効率化することが可能です。

3.お施主様への説明

前章では、調査から面積計算、見積算出、お施主様への説明に至るまでの時間をできる限り短縮することが業務全体としての効率化に繋がると述べました。営業の演出上や相見積の関係から、お施主様への見積提出と説明には調査からある程度の期間を空ける、という考え方もあるでしょうが、ツールや手法の制約から「仕方なく期間が空いてしまう」ではなく、最速での見積提出が可能な状態で演出上の出し方やタイミングを自社でコントロールできる方が選択肢も広がり、受注率の最大化を目指すことができます。したがって、理想を言えば「調査〜面積計算〜見積算出〜お施主様への説明資料作成」を高い精度で、ひとつのシステムやツール上で完結させることができるものがあれば、外壁塗装や工事提案にかかわる一連の業務を効率化できると言えそうです。

なお、弊社の「DroneRoofer」は、目視が難しい箇所もドローンを活用することで点検調査しやすくし、撮影した画像を用いて壁面の面積計算を行うことが可能です。また、計算面積をもとにした見積作成、お施主様への点検報告書の作成までひとつのアプリ内でワンストップ完結させることができるため、外壁工事・塗装提案全体の効率化をはかることが可能です。

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